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映画『糸』しょうもない恋愛映画だと期待せず見たら涙腺崩壊した※ネタばれなし

平日の15時。妙に気が散って集中出来なかったので気分転換に映画を見に行くことにした。
近くの映画館の上映スケジュールを調べると、ちょうど1時間後に観れる作品が『糸』だった。どんな内容かは特に知らなかったけれど中島みゆきの糸は名曲として知っていたし、なんとなくいい歌だなくらいに思っていたので観てみることにした。

あっという間の2時間だった。
『糸』を観終わった私は誰かに何かを伝えたい感情に駆られ、今これを書いている。

個人的に日本の恋愛映画は苦手で、ほとんど観ることはなかった。
この『糸』も恋愛映画だと勝手に思っていたが、全くの別物だった。

物語は菅田将暉、小松奈々が演じる、主人公2人が出会う中学時代から始まる。
まさかの開始30分で私の涙腺は崩壊。そこからエンドロールが終わるまで、私の涙腺は揺さぶられまくる。
中島みゆきの名曲『糸』に沿い、時代の流れを追って物語は進んでいくのだが、昭和から平成へ、9.11同時多発テロ、3.11東日本大震災、平成から令和へと『糸』の物語に合わせてこれらの出来事が重ねられて進んでいく。物語と現実世界が交差し、より感情を揺さぶられる。

そして何よりも心動かされたのは、役者たちの演技力。主演はもちろん、子役、脇役、出演しているすべての人の演技に胸を打たれた。
観るまで全く分からなかったですが、超演技派揃いです。

この映画の中で特に印象に残っている言葉。榮倉奈々演じる香(かおり)が言うこのセリフ。

『運命の赤い糸はあると思うの。でもその糸はほつれることもある。切れることもある。そしてまたその糸は他に繋がっていくの、生きている限りね。』

『泣いている人がいたらね、抱きしめてあげなさい。』

''生きている限り''。

どんなに辛い失恋や縁に恵まれない今だったとしても、生きている限り必ず巡り合える。そう信じ、生きていくことで自分のもとへ運命の赤い糸は巡ってくるんだろうなあ、と。

そして、『泣いている人がいたら、抱きしめてあげなさい』はシーンを追ってどんどん意味を持ち心に刺さってきます。私自身がいつか子供を授かれる日が来た時には、同じように教えたいです。

そして更に劇中では中島みゆきの『ファイト!』が出てきます。『糸』と同じくらい印象深く、私の心に響きました。

『ファイト!』は歌われるシーンが2回あり、1回目は榮倉奈々。2回目は成田凌が歌います。最初に歌うシーンでは、あぁこんな歌もあったな、くらいだったのですが2度目のシーンでは、歌の意味をダイレクトに受け、思わず涙してしまうほど…

改めて中島みゆきの曲の持つ力強さを感じた瞬間でした。

『ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴らが笑うだろう ファイト! 冷たい水の中を ふるえながらのぼってゆけ』

そしてなによりも劇中で何度も流れる『糸』
本当に名曲ですね。

"何故巡り逢うのかを 私たちは 何も知らない いつ巡り合うのかを 私たちは いつも 知らない どこに居たの 生きてきたの 遠い空の下 二つの物語 縦の糸はあなた 横の糸は私 織りなす布はいつか誰かを 温めうるかもしれない''

相手に出逢うまでお互いが全くいない世界でそれぞれの人生を歩んできていて、ある日突然に同じ空の下で、出逢うべくして出逢う私たち。

人との出逢いは本当に縁だなと。

『逢うべき糸に 出逢えることを 人は仕合わせと呼びます』

出逢うことが出来た運命の赤い糸は大切に、離さずに、最後まで抱きしめていたいものですね。


makoto


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