マッチングアプリの裏側を教えます
最近では、猫も杓子もマッチングアプリといった有様で、この前まで「出会い系サイト大手」などと打ちだしてたところも、気が付けば「マッチングアプリ」と名乗っています。ですが、ここで上げているマッチングアプリというのは、pairsやomiai、with、小さいところならばfelizなどの恋活・婚活向けかつ月額有料会員制のマッチングアプリとなります。
出会い系サイトとはビジネスモデルが違う
出会い系サイトは従量課金制(ポイント制)のサービスとなりますので、ビジネスモデルも大きく違います。最も大きく異なる点は、一人当たりの購入者単価の伸びと、購入者単価を伸ばすための手法の有無です。
出会い系サイトでしたら、一人の会員が月に10万以上使う可能性があります。一回お得なキャンペーンを行ったら、そのタイミングで数回購入されることもあるでしょう。
逆に、マッチングアプリにはそれがありません。基本となる月額料金数千円と+αのオプション機能代しか購入されないのです。
出会い系サイトの場合、短期間でユーザーを動かすだけでも売上になりますが、マッチングアプリはそういう訳にはいきません。
[余談]
ポイント制のサイトは、同じ会員が何件も購入できるので、はサクラやキャッシュバッカーを入れて売上を上げることも理論上可能ですが、定額制は一回しか買えない為、サクラやキャッシュバッカーとは非常に相性が悪いです。
確かに市場規模はかなり大きい
マッチング業界の市場はとても大きいため(800億円程度といわれています)魅力的ですが、結論から述べると今から大手を真似して新規参入し月額制のマッチングアプリをスタートすることはおすすめしません。
初期投資にかかる金額が大きい反面、ポイント制の出会い系のように客単価は上げられません。そのため急激に伸びない売上を、地道にコツコツと時間をかけて伸ばしていく事になるだろうからです。
上場企業が始めた後発のマッチングサービスが、軒並みサービス停止をしていることから考えても、軌道に乗せる難易度は高いと考えられます。
中小規模のマッチングアプリ運営者とも話をしたことがありますが、本業の利益を長期で投資して、少しずつアルゴリズムの改善やコンテンツの作りこみ、集客方法のブラッシュアップを行っているというのが実情だそうです。
インターネットビジネス自体が難しい?
インターネットビジネスの特徴として、状況の変化が速く再現性が低い事があげられます。インタビューなどを見てこれはできると思っても、pairsのやり方をまねようとした時点で速攻つまづきます。
あなたが思っている以上に、時流やタイミングといった、ある意味で運じゃないかと思える要素が絡んでいます。
過去の成功事例も、一つ一つ紐解いていくと「今は規制されてこれができない」とか「スタートアップ企業だとこれは無理」「この予算では今はやってもらえない」といったものがドンドンと出てきます。
予想外に耐えられる情報と備えが必要
半年前に「この広告いいよ!」と聞いていたものが、半年たつと「規制が入って掲載できなくなりました」なんてザラです。でも、規制されているはずなのに同業他社は普通に広告が出ていたりします。
「これまで使ってきた外部のこの機能が数か月後に廃止されます」なんて事が発表されて、現場が大慌てという事も日常的にありえます。
「海外の法改正の影響でここからここまでの機能が使えなくなるかもしれません」なんて、誰が想像するでしょうか?でも、そういった事が普通に起こりえる厳しいフィールドだという事を理解しておいた方がよいでしょう。
また、こういった問題は情報があることで事前に察知したり避けることができます。人的リソースや資金、時間の無駄を減らすことにつながるでしょう。
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