経営学の知見:リモートでどう友達をつくるか

たしかに、リモートワークだと、職場で友達のような関係になるのが難しくなっていますよね。さて、アメリカのテクノロジー企業はどんな状況になっているのでしょうか?

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アリゾナ州立大学の研究チームは、アメリカの大手テクノロジー企業に働く社員64人を18か月にわたり調査した。114回のインタビューと75時間の行動観察を行った。

個人的なつきあいがあった方が仕事にはプラスであることが分かった。
・職場で友達がいないと、仕事がうまくいかないことが多い。
・チームワークが必要とする仕事の場合、友情のあるメンバーと仕事をした方が成果が出る
・個人的なつきあいのある同僚の方がコミュニケーションが早く進む

マネジャーたちは、リモートでもお互いボンディングできるようにいろいろと工夫をしていた。
・オンラインミーティングを15分前からオープンにして、雑談できるようにした。
・新しいメンバーが入る際は、お互いを知れる機会をつくった。
・リモートだと、より監視されている感が強まるので、その懸念を取り除いた。
・お互いの顔が分からないので、自分の顔写真をシェアするようにした。

こうした工夫と努力は、チームメンバーがよりハッピーになり、成果を出すことにつながることが分かった。
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知らない人と働いているより、個人的な付き合いがあると思っている人と働いた方が、やはり成果は出やすいし、ハッピーになりやすいようです。

そして、バーチャルだと、友達はつくりにくいけれども、工夫次第でなんとかなりそうでもありますよね。

リアルだと、自然に友達づきあいになっていたのが、オンラインだと、より意識して友達をつくろうと思わないと、友達ができないくいということでしょう。

環境に成り行き任せにするのではなく、個々人の意思が大事になってくるのがリモートワークなんだなぁ、きっと。

Schinoff, B. S., Ashforth, B. E., & Corley, K. G. (2020). Virtually (in) separable: The centrality of relational cadence in the formation of virtual multiplex relationships. Academy of Management Journal, 63(5), 1395-1424.

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