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心理学の知見:ジョブ、キャリア、コーリング

年末年始に自分の仕事を振り返る人も多いかもしれません。エール大学のエイミー・ルゼンスキーは、こんな問いかけをします。あなたの仕事は、ジョブ、キャリア、コーリングのどれですか、と。

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エイミー・ルゼンスキーらの研究グループは、社会人196人を調査したところ、多くの人は自分の仕事を、次のジョブ、キャリア、コーリングのいずれかと思っていることが分かった。

ジョブ Job :
生活を支えるために働いている。経済的に余裕があれば、仕事をやめてほかのことをしたいと思っている。週末や休暇をとても楽しみにしている。

キャリア Career:
仕事は基本的には楽しいが、5年後に同じ仕事をしているとは思わない。早く昇進し、まわりから認められて、同僚との出世競争で成功したい。

コーリング Calling:
仕事は人生の中で大切なものである。この仕事が大好きでやりがいを感じている。仕事そのものが目的であり、仕事をしなくてもいいと言われたら困る。

どの職種でも、ジョブ、キャリア、コーリングと思っている人がいた。たとえば、秘書の仕事をしている人で、ジョブ、キャリア、コーリングと思っている人は、それぞれほぼ同じくらいいた。

また、自分の仕事をコーリングと思っている人は、満足度も高く、健康であった。
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コーリング(Calling)の語源はキリスト教にあり、神に「呼ばれて」する仕事という意味だったようです。転じて、今は天職、というニュアンスで使われています。

面白いのは、医者でも清掃員でも、職種に関係なく、自分の仕事をジョブだと思っている人もいれば、コーリングだと思っている人がいる、ということですよね。

つまり、その仕事にどういう意味を見出すのかがとても大事であることに気づかされます。

もしかしたら、この現実はすぐに変わらないかもしれない。でも意味を見出すことによって、仕事の体験が変わるとしたら、それは希望ですよね。

Wrzesniewski, A., McCauley, C., Rozin, P., & Schwartz, B. (1997). Jobs, careers, and callings: People's relations to their work. Journal of research in personality, 31(1), 21-33.

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