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心理学の知見:アファーメーションの功罪

「私は仕事で最高の結果を出している」
「私は美しい」
「私は健康な体を手に入れている」

こういうポジティブな自己宣言を繰り返し唱えることをアファーメーションといいますね。

自己暗示をかけ、自分がポジティブになることを期待するものですが、実際の効果の程はどうなのでしょう。

ある研究によれば、アファーメーションは、自己肯定感が高い人には効果があるけど、自己肯定感が低い人には逆効果です。#なんと

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ウォータールー大学のウッドらは、アファーメーションの効果を調査した。

#調査1
249人の大学生に、アファーメーションををどれくらい使うか、そして、どれくらい役に立っているかを調査をした。
自己肯定感が高い学生は、アファーメーションは役に立っていると答えた。
自己肯定感が低い学生は、アファーメーションをすると、よりネガティブな気持ちになると答えていた。

#調査2
次に、68人の大学生に、ポジティブな自己宣言文(「私は愛されている」)を実際に唱えてもらって、気持ちやムードがどう変化するかを調べた。

自己肯定感が高い学生は、気分が高まり、ますます自己肯定感が上昇した。
自己肯定感が低い学生は、気分が悪くなり、さらに自己肯定感が低くなってしまった。

アファーメーションは、自己肯定感が高い人には有効であった。
ところが、アファーメーションを最も必要としている、自己肯定感が低い人にとっては有害である可能性があると分かった。

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「自分はダメだから・・・ポジティブな自己宣言文を繰り返し唱えてみよう」
こういう動機で、ポジティブな自己宣言文を使うのは避けた方がよさそうです。

ポジティブな自己宣言の内容と、実際の自分の乖離が目についてしまい、ますます自分に自信がもてなくなります。

では、どうすればよいのか。

じつは、願いにフォーカスすると、上記のような弊害を避けることができます。

「私は健康な体に手に入れている」ではなく、「私が健康になりますように」というポジティブな願いとして、唱えるのです。#慈悲のフレーズ

この願い自体に、うそいつわりはなく、心からの声です。自分の内なる声につながれたとき、人は強さを取り戻しますよね。

Wood, J. V., Elaine Perunovic, W. Q., & Lee, J. W. (2009). Positive self-statements: Power for some, peril for others. Psychological Science, 20(7), 860-866.

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