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心理学の知見:60秒の心打たれる体験が、あなたをやさしくする

人はなぜやさしくなれないのか?

それは、人知を超えたものに触れ、心打たれる経験が減ってきているからかもしれません。

大自然、芸術、音楽、宗教などに触れ、畏敬の念を感じると、エゴが薄まり、人にやさしくなることができます。

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カリフォルニア大学のプフらは、人は畏敬の念を感じると、人にやさしくなれるかを調べた。

#実験

大学生90名に協力してもらった。大学生に1人ずつ、次のいずれかを行ってもらった。

①ユーカリの木を見上げる:

キャンパスにあるユーカリの木を60秒間見上げてもらった。

その直後に、スタッフが学生の前で、11本のペンを誤ってまき散らしてしまう(これは演技)。

学生が何本ペンを拾ったかを数えた。

最後にアンケートを実施した。

②建物を見上げる:

キャンパスにある普通の建物を60秒間見上げてもらった。

この後の流れは、上と同様。

#結果

木を見上げた学生の方がより多くのペンを拾っていた。

(木:平均7.7本、建物:平均7本)

アンケートでは、担当教員の間違いで本来より高い成績をもらった場合、それを教員に知らせるかどうかを聞いた。木を見上げた学生の方が、より知らせると答えていた。

また、高い木を見上げた学生の方が、「自分は特別だ」という感覚が少なかった。

#結論

自然にちょっと触れ、少しでも畏敬の念を感じることで、人はより人助けをし、倫理的な判断ができるようになっていた。

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この研究グループは、上記のほかに4つの調査を行っているのですが、趣旨はこういうことです。

自然などに触れ、畏敬の念を感じると、自分のことを小さく感じ、その結果、より人助けするようになるというものです。

それも、わずか60秒でも、その後の行動や判断に影響が出るというのですから。

企業のリーダーも、無味乾燥な会議室で戦略を議論すると、短期思考に陥りやすいかもしれません。

大自然の中、美術館、神社やお寺とかで、戦略を議論をしたら、人にやさしいサステイナブルな考えがより出やすくなりますよね。#これやってみたい #畏敬体験をしよう

Piff, P. K., Dietze, P., Feinberg, M., Stancato, D. M., & Keltner, D. (2015). Awe, the small self, and prosocial behavior. Journal of personality and social psychology, 108(6), 883.

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