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デザインの適正な料金(見積もり)の出し方

デザインの価格について

このnoteではデザイン費の適切な出し方について解説していきます。

デザイン費をいくらで請求するか悩むことは多いと思います。

一部のデザイナーやクラウドソーシングでは、先にデザイン料を提示してデザインを請け負う方法をとっています。

先に価格を提示した方がデザインの依頼がされやすいからでしょう。
ただ一定の経験を積んだデザイナーに、この方法はおすすめしません。

先にデザイン費用を提示して料金体系を固定してしまうと、自分を商品として売り込み、価値ではなく金額で商品を買ってもらう方向へクライアントを導く可能性があります。

デザインは価格競争で売るような商品ではありません。
デザイナーの経験・知識・スキルでデザインの価値は大きく変わってきます。ポスターのデザインだから3万円というモノではないのです。

さらにクライアントやプロジェクトによっても変わってきます。
同じロゴデザインでも大手と小規模の会社では費用は数万円〜数百万円までと価格に開きがあります。

だから料金体系を作って価格で釣っても結局は時間もお金も大損することになります。

デザイン費の計算方法

デザイン費は様々な角度から考える必要があります。

デザイナーの専門性

まずはデザイナーの経験や教育レベル、評判、見込まれる労働時間などを総合して適正料金を考えます。
ここは人によって大きく見積もり額が変わってきます。

仕事内容

50年の歴史をもつ従業員500人の多国籍企業のリブランディングのためのロゴデザインと、これからオープンの地元の飲食店のロゴデザインでは、プロジェクトの経費が大幅に違います。

歴史ある会社のリブランディングでは、歴史を調べる必要もあるし多くの人がロゴを使用するのでロゴ使用のためのマニュアルも必要です。

一方地元の飲食店ではロゴを使うのはオーナー1人なのでマニュアルも必要ありません。

かなり見積もりの金額に差が出るので、プロジェクトはしっかり見極める必要があります。

スケジュール

納期までに日数がない場合は割り増し料金を請求することを検討しましょう。

基本的にデザイナーは複数の案件を同時進行している場合が多いです。
そんな中で急ぎでやってくれと言われる案件が入ってくると優先的に仕事をしないといけません。

私の場合は大体クライアントの方から割り増し料金を払うから急ぎで仕上げて欲しいと提案されることが多いです。

価格は20%増しくらいが妥当ですが、相当無理しなければいけない場合はそれ以上の金額を請求します。クライアントも無理を承知でお願いしてくるので納得してくれる場合が多いです。

上記のような感じでプロジェクトによってデザイン費用は大きく変わってきます。

仕事が増えて回らなくなってきたら値上げを検討するのがいいでしょう。

デザイン料金の設定の仕方

デザイン料金の考え方に対するいい例があるので紹介しておきます。

むかし画家のピカソが公園で絵を描いていると1人の女性が自分の絵を描いてくれと話しかけてきました。

ピカソは彼女の依頼に応じて、少し観察したあと一筆書きで肖像画を描き上げました。

その作品は完璧で女性は感激しました。

そこで女性は「いくらでしょうか?」と聞いたところ、ピカソは「5000ドルです」と答え女性は驚いて「どうしてそんな値段なの?たった1秒で描いた絵が高すぎる」と言いました。

その女性の返答に対してピカソは、「私がこの絵を描くために費やした時間はこれまでの私の人生ですよ」と答えました。

この話からわかることはデザイン案を考える時間と金額はイコールではないということです。

デザインを勉強した時間はどのくらいでしょうか?美大を出たなら学費も相当払っているはずです。

その苦労すべてがデザインに出ています。だからデザイン費用を考える時に時給計算することはおすすめしません。

デザインにかかる時間はデザイナーの経験によって変わってくるのです。

以上がデザインの適正料金の出し方です。
私がいたデザイン事務所でもデザイナーによって見積もりの金額は変わっていました。

新人の頃は私もなぜ固定の料金を提示しないんだろうと不思議でしたが、こうやって考えてみると当然なんです。

ぜひ今後のデザインの見積もりの参考にしてください。
もっと詳しく知りたい方は、今回のnoteは「ロゴをデザインするということ。」から引用しているのでぜひそちらを読んでみてください。おすすめの本です↓



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