ノンバイナリーでもそうでなくても|心のままに生きていく
自分の扱われ方に、初めて明確な違和感を持ったのは、小学校一年生の夏休み明け。
忘れもしない転校初日の朝のこと。
その頃の自分には、はっきり言って自我と呼べる自我がなかったように思う。
身の回りのほとんどのものは、親が選んで与えてくれたもの。
疑うことを知らない無邪気な子どもで、素直に親の言うことに従っていた。
毎日着る服を選ぶ場面においても、それは例外じゃなかった。
その日、母が選んだのは、ワンピース。
詳細は忘れたが、紫色で、花のような大柄があしらわれたワンピースだった