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弦の張替えタイミングの話

ヴァイオリン、ヴィオラの弦。最近めっきり高くなりましたよね。
張替えは出費も大きくなかなか気が進みませんが
どのぐらいのペースで張り替えますか?
私はほぼ毎月張り替えているんですが
「え!そんなに張り替える必要あるの!」と思われますよね?
はい。そんなに張り替える必要はありません。

実は私は本番の1週間前に張り替える習慣があるので
本番が1年なければ1年間張り替えないですし
本番が毎月あるならば毎月張り替える事になります。
コロナによる外出自粛があけてからは20日に1回のペースで本番があるので
ほぼ毎月弦を張り替えているわけです。
弦を張り替えなければならないタイミングは私はこのように考えています。

・錆びてきた時
E線は通常は巻線のないスチール弦なので錆びてくると寿命です。
ブラスメッキ、金メッキ、プラチナメッキのE線の場合
あまり錆は浮いてこないので寿命はかなり長いです。
E線専門ブランドのオプティマ社のゴールドブロカットという弦は
標準モデルは価格がとても安いのに素晴らしい良い音がしますが
メッキされていないスチールなので
手汗の影響で早い人だと2週間で錆びます。
メッキされているプレミアムモデルも有るのですが
標準モデルの方が音は良いですね。
巻線は通常はアルミなので錆は浮きませんがシルバーの場合錆びます。

・巻線がホツれていた時
A~C線は必ず巻線ですが調弦を繰り返した際のナットや駒との摩擦で
巻線がホツれてしまう事があります。もう寿命ですので張り替えます。

・弦が切れた時
当然ですが弦が切れたら張り替えるしか無いのですが
1本切れた時は残りの3本も劣化の時期と考えるので張り替えます。

・鳴らなくなってきた時
毎日弾いている楽器だと少しずつの経年劣化の過程を毎日聴いているので
劣化の具合ってわかりにくいんですが
どんなに頑張って弾いても音量が出なくなってきたな?
と思ったら寿命です。張り替えます。

私は本番一週間前の張替えルールなので上記の劣化の症状が発生する前に
張り替えてしまう事がほとんどです。
ではなぜそんなに早いペースで張り替えてるのかというと
ステージ上での弦切れが怖いからです。
実際に経験があるのですがステージ上で弦が切れると地獄なのです。
無事故でステージを降りたいという理由だけで張り替えています。

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