見出し画像

音律は愛

音程についてリクエストが有りました。
私は音程には正解は無いと考えているので難しいテーマなのです。
そこで敢えて音程の話ではなく音律という切り口で話します。
私はガチ理系なので科学的に説明しますね。

ピタゴラス音律

元祖ピタゴラス音律、2500年以上も前に音律は科学的に創られました。
凄いですよね。金属の重さに比例して音程は下がっていき
2:3の2本で比較すれば5度差でハモる事が発見されました。
重さの違いを2:3で繰り返していき創ったのがピタゴラス音律です。
しかし2:3を繰り返していくと間隔が少しずつ広がっていってしまい
上の音はかなり高めになってしまいます。
ヴァイオリンなどの弦楽器は5度調弦をするので
実はA基準のピタゴラス音律楽器なのです。
ヴィオラやチェロのC線開放のCの音はピアノなどのCの音に比べて
少し低めという事になります。

中全音律

かつて宗教上の理由から教会音楽では3度の和音は不協和音とされており
5度がハモれば問題はなかったのですが
5世紀辺りから3度の和音が流行しだします。
ピタゴラス音律では3度が濁ってしまいハモらないので
4:5の重さ比重で長3度の和音を作りコレを繰り返したのが中全音律です。
しかし今度は5度が濁ってしまいます。

純正律

5度はピタゴラス音律で作り長3度は中全音律で創り
良い所取りをしたのが純正律です。
しかし純正律では転調に対応しません。
なかなかうまく行きませんね・・・

平均律

究極の妥協案が全ての音を1オクターブ内で12分割比率に平均したのが
十二平均律です。現在の標準仕様です。ピアノなどの鍵盤楽器
マンドリン等のフレットのある楽器
キーで穴を塞ぐ木管楽器は仕様上は平均律の楽器ということになります。
あらゆる転調に対応しますが全ての和音が少し濁っています。

普段、室内楽など弦楽器同士でハモる感覚を身に着けていると
ピアノ伴奏に合わせて弾く時に音程が合わないような
奇妙な感覚に襲われますが
これは違う音律の世界の楽器と合わせているからなのです。
以前、バンド弾きでアルトサックスと合わせた時は
どうにもこうにも音程が合わず非常に苦労した記憶があります。
合奏とは違う世界の音律の楽器と合わせる事なので
音程には正解は無いと考えています。
相手に合わせて思いやりで合わせるで成り立っているものだと思います。
科学的な説明の果に結論がという精神論に帰結してしまい
大変申し訳無いのですが結局最後はです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?