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アクセントを科学する話

以前、アクセントを付ける時に
ヴィブラートを上向きに1往復掛けるという話をしました。
なんでコレでアクセントが掛かるのか
科学的に説明をしたいと思います。

・エネルギー保存法則
弦の運動エネルギーは弦の質量に比例しますから
太い弦を振動させる方が大きなエネルギーを持っていますし
長い弦を振動させる方が大きなエネルギーを持っています。
弦を振動させた後に、もし弦の質量が少なくなったらどうなるでしょう?
エネルギー自体は等価で保存されていますから
振動の振幅がその分増えることになります。
つまり弦の振動が始まった後に元の長さが短くなった瞬間
質量が減少した結果、音量は増えるんです。
一瞬上向きに1往復ヴィブラートを掛けると
一瞬音量が上がり、その後戻るのでアクセントが付く訳です。

・人間の耳の特性
人間の耳はより高い方向に敏感に反応します。
最も強く反応するのが800Hz~2000Hzあたりです。
ヴァイオリンA線開放のオクターブ上あたりから
E線開放のオクターブ上辺りまでですね。
演奏の常音域で向きに1往復ヴィブラートを掛けると
この最も強く反応するエリアに近づくので
音量も増えたように体感します。
体感的にもアクセントを感じる訳です。

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