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調弦の話 (中編)

さて続きなのですが前篇を読んでくださった在英邦人の方から
「英国ではクラシックでも440Hzです。」との情報いただきました。
素晴らしい事だと思います。クラシックとポピュラーの垣根なく
奏者は行き来できますしライブハウスもコンサートホールも
同じピアノの調律でよくなりますし標準化のメリットは大きいです。

さて高めの調弦が流行っているなかで
過去はどうだったのでしょうか?
モーツァルトのディベルティメントの音源合わせ弾きをしようとしたら
音源の音程が半音近く低くて困った経験とかありませんか?
モーツァルト以前は415Hzだったそうで
当時に忠実な演奏をという理念で低い調弦で演奏された音源が多いです。
コレはコレで音源合わせ弾きが出来なくて困ります。

さて周波数の話はこのあたりにしておいて
オーケストラの調弦はオーボエが基準のAを出し、それに管が合わせて
そのオーボエにコンサートマスターのヴァイオリンを合わせ
舞台上手(客席から見て右)から順に合わせていくしきたりがあります。
なぜオーボエが基準なのかというとオーボエには構造上管の抜き差しで
音程を調節する機能が無いので皆さんオーボエに合わせて
各自調整して下さいという事になっています。
とはえ実際オーボエ奏者はチューナーの442Hzに合わせ吹いているので
間接的ではありますが全楽器がチューナーで442Hzに合わせている訳です。

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