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第46回:続編!日本を代表する「あの会社」のソニック・ロゴを分析!クルマは革新し、未来に向けて走り出すのか?


さて、前回の記事ではトヨタ自動車が北米で利用していたソニック・ロゴの分析をしました。


「明るく平和にキラキラと走り続けどこかに進む進行」を感じさせる効果のあるソニック・ロゴは、車の音声広告に適切なメロディーです。しかし、一方でチャレンジも・・・。



今回は、トヨタ自動車のソニック・ロゴの心理的・音楽的検証を更に深めていきましょう。


「♪ミーソ#ーミ」の3音を徹底解説~心理的検証と周波数

本ソニックロゴのメロディは1点嬰トから嬰トの音階域、即ち207.652Hz~415.305Hzの周波数域を利用しており、この域の周波数から人が感じる意識「勇ましさ、中立性、やる気、支持、理知」を発信していることは肝要であり、評価すべき点です。なんといっても、車のソニック・ロゴですから!

「♪ミ-ソ#」の開きは他の長3度よりもより明るく、輝きスパークルな印象を与えます。例えば移調して「♪ド-ミ」や、「♪ファーラ」では同じ効果をもたらすことはできません。なぜならば3度上がシャープである方がより明るく、より輝きスパークルな印象を与えるという効果は和声の基本だからです。(では、3度上がシャープならどの調でも良いのか、というと音楽理論上は実はそうではないのです!)

また「♪ミーソ#(‐ミ)」の音の進行、振幅層等からは、革新性、独自性などを人の感情に与える働きはありません。現在のソニック・ロゴでは「明るく平和にキラキラと走り続けどこかに進むクルマ」を感じさせることはできますが、「安全に明るく前進するクルマ」に加え、革新性や独自性の印象も与えたい場合は、メロディや和音を改善・改案するだけではなく、キャッチ・ナレーションも音声としてとらえ、音の振幅との相関を全面的・総合的に再構築しなおす必要があります。

「♪ミーソ#ーミ」の3音を音楽的に検証すると?

CMの最後の「Let’s go places」のキャッチ・ナレーションの背景にソニック・ロゴ=ホ長調(♪ミーソ#ーミ)を聞く事ができます。

そして長3度の音の距離は以下の印象を与える機能があります。

・感覚: Clearness・清らか、Limpid・透明、Strong・力強さ、Cheerful・快活性、Quiet・平和、Pure・純粋、Shining・明るさ
・感情: Joy・喜び、Happiness・幸せ、Pleasant・楽しさ
・知覚: Hope・希望、Balance・調和、Right・正しさ、Pure・純粋さ、Stable・安定

結論として、ナレーションの「Let’s go places」と音の運びの意味合いの相関関係が科学的・合理的に構成され、「明るく平和にキラキラと走り続けどこかに進むクルマ」「安全に明るく前進するクルマ」を感じさせる良ソニック・ロゴであると考えられます。

ところが・・・。キャッチコピーの表現に少しチャレンジがあるようです。次回、ナレーション「Let’s go places」のオーラル表現のはらむ課題を徹底解説します。

(ご注意)

*今回分析を行ったソニックロゴは2020年頃まで北米等国外で使用されていたもので現在のソニックロゴとは異なります。現在のソニックロゴはより「ニュートラル化」された音表現となっています。

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