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デザイナーの羅針盤:情報アーキテクチャから得た新たな視点

この記事は、「YUMEMI Design Advent Calendar 2023」15日目の記事です🎄

はじめまして!株式会社ゆめみでサービスデザイナーとして働いているたくとです!

現在、私はゆめみでサービスデザイナーとして働いており、普段は主に既存サービスのUXUIの改善などの業務に携わっています。
日々新たな発見と挑戦に直面していますが、今年の秋、特に興味深かったのが「情報アーキテクチャ」という分野です。

そこで、今回は「デザイナーの羅針盤:情報アーキテクチャから得た新たな視点」について記事を書いてみようと思います。



1.はじめに

もともと、情報アーキテクチャという言葉は、私にとってはただの専門用語の一つに過ぎませんでした。
しかし、デザインのプロフェッショナルとしてプロジェクトを進める中で、この分野の重要性と奥深さに気づき始めました。

そして情報アーキテクチャについての勉強を開始し最終的には情報アーキテクチャは単にウェブサイトやアプリの構造を考えることだけではなく、ユーザーが情報をどのように見つけ、理解し、活用するかという基本的な問題に関わっていると言うことに気がつくことができました。

この記事では、私が情報アーキテクチャという分野とどのように出会い、それが私の仕事や考え方にどのような影響を与えたかについてお話しします。


2.情報アーキテクチャはデザイナーとユーザーの架け橋である

情報アーキテクチャという用語は、しばしば「ユーザーがわかりやすい形で情報を設計する」と訳されます。

しかし、この分野についてより深く理解するまで、私はその目的や方法について詳しく知りませんでした。
そこで様々な資料を調べたり、先輩に話を聞いたりする中で、あるスライドに出会いました。
次の画像はそのスライドの一部です。

Information Architecture Workshop / Hugh Dubberly Dubberly Design Office

このスライドを読み解くと、情報アーキテクチャは「デザイナーの頭の中にあるデザインのコンセプトをユーザーが一目見て理解できるように、ユーザーのメンタルモデルと合致する形で表現すること」であると解釈することができます。

この解釈が今まで私がモヤモヤしてた、情報アーキテクチャの目的や全体像みたいなものを明らかにしてくれたような気がしました。

そしてそれと同時にこの定義を読んで、私は情報アーキテクチャを学ぶ上で、まずはユーザーのメンタルモデルやそれがどのように形成されるかについて知る必要があると感じました。

そこで、私は人間の理解のメカニズムについて詳しく書かれている次の書籍をを読み始めました。

この本を通じて、ユーザーのメンタルモデルやそれが形成されるメカニズムについての理解を深め、それをどのように情報アーキテクチャの設計に活かすことができるかについて学びました。

3.暗黙知を形式知へ変換する

書籍を読み進める中で、ユーザーのメンタルモデルを扱うデザイナーとして絶対に知っておかないといけないと感じた2つの概念に出会いました。

それは「形式知」と「暗黙知」の2つです。

この概念が私の情報アーキテクチャに対する理解を一段と深めるきっかけとなりました。

暗黙知とは、ユーザーが意識していない、経験に基づく直感的な知識です。
これはユーザーの過去の事実や出来事がユーザーの経験として蓄積した結果として生まれるものです。
例えば、スマートフォンを使う際、多くのユーザーは画面をスワイプする方法を直感的に知っています。しかし、これを明確に説明するのは難しいかもしれません。

形式知は、ユーザー自身が認識し、言語化され、共有可能な知識です。
これらはユーザーが出会った情報が過去の経験と関連づけられることで生まれるものです。
なので、経験してきたものによって形式知も変化します。
例えば、ダンスをあまり経験したことがない人からすると「キレがあるな」と感じるダンスでも、ダンスの経験豊富な人がそれをみると「曲の時代の流行のステップを取り入れていていいね」となるかもしれません。

そして先ほど言っていたメンタルモデルとはこの暗黙知に相当します。

そしてここで感じたのはデザイナーの役割はユーザーのその背景にある経験や過去の事実まで踏まえた上で暗黙知(メンタルモデル)を形式知に変換し、ものづくりの現場に伝えることにあるではないかということです。

暗黙知と形式知に関するモデル/筆者制作

これにより、結果として製品やサービスはユーザーにとってより理解しやすく、使いやすくなっているのではないかと感じました。
たとえば、ユーザーインタビューやユーザビリティテストを通じて、ユーザーの行動や意見を収集し、それらを具体的なデザインの要素に変換するなどもその例と挙げられます。


4.さいごに

この記事を通じて、情報アーキテクチャが単なる専門用語を超え、デザイナーとしての私の日々の業務、特にユーザーエクスペリエンスの改善において非常に重要な役割を果たすことが明らかになりました。

特に、「ユーザーのメンタルモデル」と「暗黙知と形式知」という概念は、デザインの背景にある理論と実践の橋渡しとして重要です。

最終的にこのインプットは私にとってただの学びの過程ではなく、ユーザー中心のデザインを実現するための哲学を提供してくれました。

この記事を最後まで読んでいただきありがとうございました!

私の情報アーキテクチャに関する学びが、皆さんの知識や興味に少しでも役立てば幸いです。

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