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【国試直前】化学物質の毒性試験を整理してみよう

毒性試験には大きく分けて一般毒性試験特殊毒性試験の2つがある。

一般毒性試験

(a)単回毒性試験

単回投与してLD50を調べる
食品添加物では実施されない(高濃度で暴露される可能性がないため)


(b)反復毒性試験

一定期間継続して投与して、無毒性量(NOAEL)や最小毒性量(LOAEL)を決定する



特殊毒性試験

(a)発がん性試験

動物に投与してがん細胞ができるか調べる
お金と時間がめっちゃかかる


(b)遺伝毒性試験

以下の3つを評価する試験に分かれ、これらの試験を総合的に評価しなければならない。

1.突然変異するか
2.染色体がバグるか
3.DNAが傷つくか

1.遺伝子突然変異(ex.Ames試験)

Ames試験
発がんイニシエーター
のスクリーニング法。
ネズミチフス菌(Salmonella Typhimurium)のヒスチジン要求性変異株を用いた復帰突然変異試験である。

TA98株→フレームシフト型変異を検出
TA100株→塩基対置換型変異を検出



2.染色体異常誘発性(ex.染色体異常試験、小核試験)

染色体異常試験(哺乳類培養細胞に曝露させる)

小核試験(マウス等に投与して赤血球を観察)
培養細胞を用いたin vitroでの試験も可能だが、げっ歯類を用いたin vivoが主である。



3.DNA傷害性試験(ex.コメットアッセイ、recアッセイ、polアッセイ)

コメットアッセイ(細胞を用いる)
DNAが傷害されていると彗星が流れているように見える

労働安全衛生総合研究所より引用


recアッセイ(細菌を用いる)
枯草菌
のDNA修復酵素欠損株[rec-]を用いる。rec+株との致死感受性の差を指標としてDNA傷害性を評価する。

polアッセイ(細菌を用いる)
大腸菌
のDNAポリメラーゼ欠損株[pol-]を用いる。pol+株との致死感受性の差を指標としてDNA傷害性を評価する。

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