見出し画像

ペペロンチーノを作るときに、乳化を意識する必要はねぇ! と主張したい。

 ペペロンチーノなど、いろいろなパスタのレシピに良く書いてある「パスタの茹で汁をフライパンに入れる」という行程。
 パスタの茹で汁に含まれるたんぱく質を介して、油と水を混ぜるために行われるのが、この乳化という行程なのですが、私は言いたい! カスであると!

 なにが乳化だ! なにが大事なことだ! いいかぁ? 耳ぃかっぽじってよぉぉぉく聞け! 乳化なんてのはなぁ、そんな大げさに意識してやることじゃねぇんだよ!
 パスタの茹で汁をお玉一杯分入れるぅ? てめぇ、そんなに水分入れたらシャバシャバになるだろぅが! 俺はなぁ、オイリーなペペロンチーノが喰いてぇんだよ! アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノなんだよ! オイルなんだよ! 水じゃねぇんだ! 胃に優しいペペロンチーノなんて、食パンしか売ってねぇパン屋みたいなもんじゃねぇか! 俺はクロワッサンが喰いてぇんだよ! 糞高い食パンなんていらねぇんだ! マーガリンくせぇ食パンなんていらねぇんだよ!

 と、話が脱線しました。つまり、私がなにが言いたいのかというとですね、わざわざ茹で汁をオイルに入れなくてもいいですよ。ということです。
 乳化を否定しているわけではなく、パスタに含まれている水分だけで、十分に美味しいものができますよと、そう言いたいのです。

 巷でペペロンチーノについて調べると、いかにも乳化が神聖不可侵なもののように書かれています。乳化しない人は人に非ずといわんばかりに、乳化について書かれています。
 でも、下手に茹で汁を入れると、上記したように水っぽいペペロンチーノになってしまいます。それならいっそのこと茹で汁は入れずに、パスタの水分をきらずにフライパンに入れれば、そちらのほうが丁度良い加減に乳化できるのです。多少オイリーなほうが美味しいのです。

 美味しいペペロンチーノを作りたい、食べたいのなら、良いお店に行くか、調理法ではなく素材にこだわるべきです。美味しい具材を入れるのもいいですね。
 例えばパスタ。ディ・チェコをジュゼッペ・コッコやルスティケーラに変えれば、それだけで明確に美味しくなります。にんにくにこだわるのも良いでしょう。中国産のにんにくは味に刺がありますが、青森産のにんにくはまろやかです。唐辛子も産地や品種で香りや味が違います。自分に合った素材を使えば、乳化なんて無視しても最高に美味しいペペロンチーノになります。
 邪道に落ちることを良しとするのなら、コンソメを入れてもいいでしょう。出汁の素や醤油を少し入れて、和風風味にしても美味しいです。

 ペペロンチーノはシンプルな料理です。材料も少なく、行程も少ない。
 だからこそ逆に難しいなどと訳の分からないことを声高に叫ぶ方々がいますが、材料も行程も少ない以上は簡単な料理であり、手軽な料理なのです。大層にありがたがるようなものではないのです。
 ぜひ、皆さんもご家庭で、ちょっと小腹が空いたなというときに、乳化を意識せずにペペロンチーノを気軽に作ってみてください。たまに食べるぶんには十分、美味しいですから。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?