ゲームイナゴが思う、ダメな基本無料ソーシャルゲームの特徴について書く。

 配信開始のニュースを見れば、すぐさまダウンロードしてちょっとだけ遊び、また次のゲームに向かう。そんなソシャゲ界のイナゴである私が思う失敗する、駄目なソーシャルゲームの特徴と、開発や運営のかたに伝えたいことを書いていく。
 こんなことを書いたところで、意味があるのかはわからないが、ほんの少しでも世に糞ゲーが減ることを祈って。

UI(ユーザーインターフェース)が駄目

 良く使う画面に移行するまでの体感時間が長かったり、一つの画面に大量の情報を表示したり、遊ぶ人間のことを一切考えていないようなゲームは非常に多い。
 これはゲーム性の部分にも繋がることであるが、ユーザーの導線をしっかりと意識してUIを作ってほしい。
 UIのデザインについてはwebデザイン関連の情報を参照すると、使いやすいものになるんじゃないかと思う。(例:1クリックルール)
 3クリックルールについては、ゲームの世界であっても迷信だと思うので、タッチ数を少なくしようとする試みはやめるべき。
 重要なのは目的の情報に辿り着くまでの体感時間であり、クリック数ではないということ。
 いかにユーザーに待たされている感や、面倒くささを感じさせないようにするかが大事
 具体的な改善法については、聞かれれば個別に考えて答える。なお聞く人はいないもよう。
 既存のタイトルを踏襲したデザインにするのは悪いことではないが、なぜそういったデザインになっているかという意図を理解していないと、ただの劣化だということも頭に入れておくべき。そしてただ劣化させただけのものを評価する人はいない。

キャラクター等の差別化ができていない

 ガチャの対象となるキャラクターや装備の差別化ができていないゲームは、最初は良くてもすぐに失速してしまう。
 理由は単純。差別化できていないものには、誰も魅力を感じないからだ。
 見た目と数値の違いだけでは、ユーザーはそこに魅力を感じない。そのキャラクターや装備だからこそできること。独自の体験がそこになければいけない。
 色違いの皿がいくつもおいてあるだけの店よりも、いろいろな用途、形の皿を売っているお店のほうに魅力を感じるのと同じだ。
 属性、ステータス、見た目の違いだけのコンパチキャラを適当に追加していくゲームは非常に多いが、それではユーザーは離れていく。
 強いキャラクター性、物語、ゲームにおける独自の役割など、それぞれにしっかりとした個性がなければいけない。
 基本無料ソーシャルゲームにおける、ガチャで手に入るキャラクターやアイテムは=商品であるという自覚を持つべき。手抜き商品は誰も手に取らない。

拘束時間は長いが、思考させる時間はない

 プレイする時間をただ長くすることだけに意識がいって、本質を見失っているゲームは非常に多い。
 何も考えずに周回だけさせるゲームは、ユーザーを簡単に飽きさせる。
 本当に大事なことは、ユーザーがそのゲームについて考えている時間をいかに増やすかだ。
 アレが手に入ったら、次はコレがしたいな。アレとアレを合わせると有効なんじゃないか。ゲームをプレイしていない時間でも、そういったことをユーザーに考えさせるゲームでなければ、人気は得られない。
 これはゲーム性以外の部分、二次創作等においても当てはまる。キャラクターを前面に押し出し、気軽に二次創作できる環境を整えてやれば、ゲーム自体が良くなくても売上を上げられる可能性がある。いかに自分達のゲームについて考えたり、行動させる時間を増やすか。開発者はそれを考えるべきであって、プレイ時間の水増し策はただの思考停止だと気づいてほしい。

仕様から下心が透けて見える

 仮に自分が女性だとして、自分に対する下心が透けてみえる相手に魅力を感じるだろうか?
 ソーシャルゲームにおいても、それは同じだ。
 ガチャで出現するキャラクターや武器を数多く重ねさせたりする仕様など、あからさまに下心を感じるゲーム仕様に対面したとき、ユーザーの気持ちは基本的に萎える。これは課金し甲斐のあるゲームだ、育成し甲斐のあるゲームだと感じることはない。
 強さの限界に対して、課金要素で深さを作るのは悪手だ。
 では、どのようにして課金誘導するのが良いか? 答えは「今、課金しなければ損をする」と考えさせることだ。
 あとすこし課金すれば限界まで強化できる。ここで少しだけ課金すれば確実に最高レアが手に入る。など、課金への敷居を下げさせつつ、今課金しないと損をするよ、という状況を作ることが一番大事だ。石油王は深さを作らなくても、そのゲームが人気なら大量課金してくれる。彼らだけを狙い撃ちにするのは直結馬鹿のやること。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」だ。

テストプレイすれば簡単にわかるバグを放置

 私はゲーム開発者ではないため、現場の仕組みを知らない。そのため、どうしようもない理由があって放置せざるおえなかったのかもしれないが、しかし、簡単にわかるバグを放置するのは、それだけでユーザー離れを起こすと理解してほしい。
 サーバーや回線の負荷等によって、想定していた動作がなくなる。というのは理解できるし、仕方がないことだと思う。ただ、負荷がなくとも目に見えるバグや、そもそも設定間違いなどは、最初にしっかりテストプレイをして確認するべきだ。ユーザーは運営、開発のあからさまな手抜きには厳しい。
 そして同時に、サービス開始当初の不具合騒動は、かきいれどきに店を閉店する行為に等しいことも理解してほしい。
 サービス開始前にどれだけ準備できるかが、その後の成功と失敗を左右する。

遅すぎる対応

 想定外の出来事というものは必ず起きる。それはバグかもしれないし、運営の不手際かもしれない。大事なのはそれを絶対に起こさないようにすることではなく、起きたときにいかに早く対応するかだ。
 サービス開始当初のゲームにおいて、ユーザーは基本的に運営に懐疑的だ。他のゲームで信頼を得ていない限り、対応が遅れればそれだけで致命傷になる。
 問題が起きたときは、まず最初に問題があることを認識していると発表するべきだ。DUPEなど、ゲームを崩壊させかねない事象ならばサーバーを閉じるべきだ。対応するまでの時間が早ければ早いほど、ユーザーからの不信感を減らすことができるし、ユーザー離れも減らせる。
 運営には誠実さと、対応の速さが求められているということを理解してほしい。

下方修正を隠蔽

 絶対にやってはいけないのが隠蔽行為だ。特に下方修正の隠蔽だけは決してやってはいけない。ゲームバランスを整えるうえで、下方修正が必要になることはあるだろう。ユーザーも文句は言ったとしても、それでゲームから離れることは少ない。(一部例外もあるが)
 しかし下方修正の隠蔽をすれば、ユーザーは一気に離れていく。それも文句を言っていたユーザーではなく、なにも言っていなかったユーザーがだ。
 運営が誠実であれば、ユーザーは運営を信頼してくれる。同業者のネガティブキャンペーンを跳ね返してくれるユーザーを育てることで、長期的に安定した運営が可能になるのだ。
 ただし、運営が誠実でしっかりしていようと、売上が上がるわけではないということも同時に理解する必要がある。誠実な良い運営は、ユーザーの減少、売上の減少を抑えるためのもので、パイを広げるためにはゲーム自体に魅力がなければいけないことも忘れないでほしい。

最後に

 書けることはまだまだあるが、文字数が3000を越えて長くなってしまったので、このあたりで終わらせようと思う。
 運営や開発に携わっているかたからしてみれば、何をいまさらな内容かもしれないが、一ユーザーの考えだということで見逃してほしい。

 ゲームの面白さの本質とはなにか、どういったゲームに魅力を感じるかなど、ゲーム本体のことについては、私の気が向いたときか、要望があればまた書いてみようと思います。
 

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