タコスバーという業態

何々バーという業態がある。
缶詰バーとか、オイスターバーとか。
タコファントムもタコスバーを名乗っていて、つまりタコスメインでお酒飲めますよということを伝えたかったのだが、もし開業するならこの業態は大変難しい。
そもそもバーという業態は商売としては非常に難しい。座っただけでチョコとナッツが出てきて1,000円、ビフィータのジントニック1杯1,300円とれるなら話は別だが、街場のバーはほとんどチャージフリー、ジントニック1杯500〜800円、おそらく客単価は2,000円程度、10席のバーで平均一日15名といったところだろう。
商売としてはこれでは儲からないので、儲けが欲しいとパリピっぽいバーになる。そうすると、罰ゲームテキーラまたはイエーガーで客単価は上下開きは出るものの均せば恐らく3,000円ほど、連れ立って来店する客が多くなるので平均客数も20名ほどになる。
ただし、この手のバーは自らに回ってくるテキーラも大事なコミュニケーションかつ収入源なので、望まない飲酒量の増加は否めない。健康面のリスクを考えると、簡単にシフトするのは危険だし、そもそも自身のコンセプトに合うのかは大いに考える必要がある。

さて、タコファントムに話を戻そう。
タコファントムはタコスバーとしての開業を目論んで来たが、朧げながらシュミレーションをしてみると、前々から勘づきつつも目を逸らしてきた、タコスバーでは儲からないという漫然とした事実から逃れる事は出来なくなってきた。
開業するなら今のサラリーを上回る収益を得るというのは、妻から課される一つの大事な条件である。
ただし、タコスをやめる気は更々無い。タコスを軸にしながら、如何に他のフードアンドビバレッジに波及させるかが大事で、そのためには、ちゃんと伝わるコンセプトを立てる必要がある。
なぜタコスなのか?タコスを通じて何を伝えたいのか?誰に?どこで?いつ?どのように?いわゆる5W1Hである。

先日billsで昼食を摂ったのだが、皆さんご存知パンケーキを軸に、タイカリー、ハンバーガー、パスタと、無節操なメニュー構成を、billsの旗印で纏めている。ちなみに、どのメニューも素晴らしく美味しかった。
私にはbillsのような肩書きが無いので、この様に無節操なメニュー構成にするならわかりやすいコンセプトが無ければならないし、それに沿ったラインナップにする必要はあるが、当面のメニュー構成の理想はbillsだ。
なるべく共通の材料でどこまでラインナップを広げられるか、タコス以外の知見も必要だし、それによりタコスのラインナップもまた見直す必要があるかも知れない。


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