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🐙は頭が悪く何も知らないのでいつもウッカリですが🐙なりに書いてみたいです。よろしくおねがいします。フリージャズ好きの58歳です。

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南の島のティダとルナ

あらすじ 南の島の小さな学校の校庭の隅に、うさぎ小屋がありました。小屋にはうさぎのルナがひとりで暮らしていました。ある夏の満月の夜、何かの気配がして… #創作大賞2024 #ファンタジー小説部門 夏の月夜の晩でした。南の島の小さな学校の校庭は、まるで誰かが灯りをともしたように満月の光に明るく照らされ、気持ちのよい涼しい風がそよそよと吹いていました。まわりの山からは山鳩やコノハズクの鳴く声が聞こえていましたが、辺りは静まりかえっていました。校庭のすみっこのうさぎ小屋には、ま

    • Liveの2部に間に合った?

      私は予定の飛行機に乗り遅れ、空港カウンターで腰砕け状態になり泣き崩れた。何故なら目指す推しの彼のLiveは予定通りの飛行機に乗っても、会場に辿り着くのがLiveスタートから30分後だったから。最初の間違いは、交代して貰ったシフトでせっかく職場を早めに出たのにもかかわらず、汗だくの制服とお弁当箱を自宅まで持ち帰ったのがいけなかったのか、たった一泊だから空港の駐車場に停めれば良かった車を、それはルール違反かと、わざわざお金を払って停める駐車場に入れようとした事が仇となったのか、そ

      • For you

        その人のピアノの最初の一音を聞き逃すまいとボリュームを上げた。はじまりのその音はこれ以上ありえないような自然そのもので、私の言葉は風にふかれ笑われたに違いなかった。今まで幾度この曲を聴いてきただろう。ある時は学校の体育館で、ライブハウスで、大きなホールで、今みたいに走る車の中で。でも今までのどの演奏ともまた違って、強く深く濃密な音の波が寄せて返ってを繰り返しながら私はその海に漂っていた。海の底の砂地を転がる石のようなベースが波を支えている。タップとパーカッションが遠く沖の方か

        • タコもおだてりゃ木に登る

          #創作大賞2024 #恋愛小説部門 あらすじ 1986年冬、中華レストランのバイトをしている私は、上司と恋愛がらみのいざこざでヒタチに去ってしまった主任、カワグチさんに会う為に「体調不良」と嘘をついて初めてバイトを休む。それからの話。 もくじ 1.迷子 2.漂着 3.道のり 4.飯事遊び 5.言い訳 6.笑い話 7.こころ 8.山桃の木の上で 1.迷子 私はどこへ向かっているのか、どこへ行こうとしているのか、千代田線は幾つもの駅を過ぎ、嘘をついて休んだバイト先からはだんだ

        南の島のティダとルナ