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【合気道】アレクサンダーテクニークで毎日の身体が変わる その1

 アレクサンダーテクニーク(AT)は、音楽家やダンサーの間ではよく知られたメソッドです。整体やマッサージとは異なるもので、人間の体が本来持っている自然の動き・形、これに戻ろうとする技術体系であると思っています。
 天地の理法に従い動くと言う合気道の思想と共通する部分がありますが、より科学的に自然体を捉えているメソッドだと思っています。
 今回、このアレクサンダーテクニークの教授資格取得を目指す方が、その資格獲得の過程で被験者を募集していたので立候補しました。
 そこで指導を受けたことをフィードバックすることになったので、メモもかねて公開することにしました。
 ここに記す事柄は、私がアレクサンダーテクニークを勉強したものではなく、施術者から受け取ったアドバイスや指導を自分なりに受け止めたものですので、アレクサンダーテクニークそのものの解説とは異なる部分がある事はお含みおき願えればと思います

凡例 太字=課題 〇施術者 ●私(被験者)の感想や気づき ◎ATによる修正結果の事実

1回目(5/9)

課題 木刀の振り上げ、振り下ろしを繰り返していると肩が痛くなってしまうのを直したい。

⇒解決のアプローチ
 肩とはなにか、腕とはなにか。を骨格で意識する。

〇指導
・腕は、鎖骨の下にぶら下がっているのではなく、肩甲骨とつながっている。また鎖骨につながって胸骨につながっている。
・腕の振り上げの際に連動する肩甲骨を意識する。
・ATの主要概念である背骨の上に頭蓋骨が載っている状態を維持するため、施術者に木刀振り上げの際に頭蓋骨が後傾しないよう、背筋が反り返らないよう支えてもらいつつ、振り上げ動作の修正を行う。

◎結果
 後傾、反り返りがなくなったことにより、肩甲骨がスムーズに稼働するようになりました。そのため振り上げ動作に伴う肩周辺の筋肉への負荷が少なくなり、痛みが生じにくくなったようです。

【その他】
 肩甲骨をぶつけるような動きを立甲(りっこう)といいますが、その際に胸筋を突き出す形になっており、上手くできませんでした。指摘で、肩甲骨を動かすのであれば、掌を上に向け、肘を後ろに突き出す形にすると肩甲骨が後ろに飛び出すため、可動域を大きくしやすくなる、と教えていただきました。

2回目 (5/18)

課題 木刀の振り下ろしの際にぶれてしまうのをぶれないようにしたい。

⇒解決のアプローチ
・まずなぜその動きをしたいのかを整理する。
●もっとも効率的な力の伝達を合気道の技の中で行いたい。そのためには、刀がまっすぐに触れていることが、その指標となると思っている。
(!)指標が目的になっていることに気づく
・では、ぶれていもいいのではないか、ブレを許容して、力を効率的に伝えるための動きを丁寧にやるのを目的とする。

〇指導
・細かな動きは人差し指側(橈骨側)の意識が必要だが、まっすぐの振り下ろしや力感、力の伝達は小指側(尺骨側・三焦経)の意識が必要。
・振り下ろしの際に小指からわきの下、后腰(仙骨)をイメージラインとして意識し、振り下ろすようにする。

【ワーク】前で腕を組む(左右の自分の肘をつかむように)
 ⑴ 肘主導で腹前で左右に動かす
 ⑵ 同様に胸前で左右に動かす
 ⑶ 同様に頭の前で左右に動かす
 これにより背骨回りの筋肉のこわばりがリセットされる。左右差を感じるときや、背中のこわばりの解消に有効。

◎結果
 振り下ろしがとても楽になりました。ブレは逆に生じやすくなりましたが、(本来の目的を優先し)ブレを許容するのであれば、力の伝達はむしろ増しているのではないかと思いました。

課題 合気道の達人の動きを、トレースしているはずなのに、その通りに自分が動けていない(自分のイメージの動きと現実の動きにギャップがあるが明確に指摘できない)

⇒解決のアプローチ
・合気道の達人動画と同じ技を実演する。それを施術者にみてもらい違いを指摘してもらう。
・後ろ足を突っ張りすぎて、お尻が腰の上にあり続けるため、不自然な前傾姿勢となり重心が丹田の位置にないようにみえる。

〇指導
・施術者から見て、お尻の位置が不自然でない位置を指摘する。
・私がお尻を突き出していると感じている、不自然と思っている位置は、実は正常な位置であり、極端にへっぴり腰になるまで下げないと不自然にならい、ということを指摘。

◎結果
 今後の検証とします。(今度動画を撮ってみようと思います)
 このことから、太極拳における「クワ」を股関節に入れる動きや四股立の感覚を動きの中で意識し、AT的に重心の正しい位置自分イメージ上の重心位置の差異の修正が必要と感じました。
 静止状態とは異なり、動きの中でのイメージブレの修正をしていかなければならないので、難しいと思いますが、これを念頭に動く稽古をしてみようと思います。

3回目(5/22)

課題 合気会式受身の際に左右差がある。また、受身を今後続けていくうえで、もっとも体に負荷のない形をATの観点から改めて指摘してほしい。

⇒解決のアプローチ
・まずは連続的に普通の受身をやってみる。施術者が見て全体的な所見から指摘する。
・足腰ではなく、首と頭の関係が窮屈にみえる。その修正をする。

〇指導
⑴ 前後の首を伸ばす。
  施術者の補助を得ながら、首(頸椎)の前後を同時に、「長く広くする」という言葉で調整していく。同時がキー。鏡で見ると、背面がすっと整っているのが分かった。
⑵ 胸鎖関節の結節点をゆるめる
  胸鎖関節は、腕の起点となるところ。施術者から見た時、胸鎖関節が固まって窮屈そうに見えることから、ここをゆるめる。
●窮屈であるという自覚がないため、ここを緩めるという「意識」「動き」が分からなかった。また緩んでいる感覚も最初分からなかった。いくつかの修正ののちに、緩んだ後の感覚は分かったが、施術者からは「感覚を追わないようにしてください」とのアドバイスを受ける。
 とはいえ、感覚としては、胸が背筋をそらない程度に前にでる。骨で言えば胸骨が前に上に行く感じ。連動して肩が下がる。胸鎖関節は触れるので、そこを横に押し広げることを物理的にすれば、緩む感じはある。
⑶ 頭蓋骨と頸椎の結節点から動く
  頸椎ひとまとまりに首全体を上下左右に振らずとも、頭蓋骨と頸椎がふんわりと乗っていれば、結構な範囲が視認できる。
【ワーク】仰向けになる。頭の後ろで手を組み、頭が左右にぶれないようにする。目玉だけ右に50秒、つぎに左に50秒動かす。(ずっと同じ方向を見続ける)メガネは外した方がいい。
 このワークにより、結節点のこわばりが取れるので、頭が動きやすくなる。お薦め。
【ワーク】※前回2回目の際に教わったもの。

◎結果
 受身の最後の姿勢で、背筋がすっと伸びる感じがありました。また胸鎖関節の緩めにより、股関節が開くようになり受身が楽になりました。
●左右差が完全に取れたわけではないですが、これはある程度受容するものかもしれないと思いました。
●顎を引きつつも、首の前後を伸ばしつつ動くを心がけたいです。(胸鎖関節を緩めながら動くと同義)

※全10回の指導を受ける予定です。続きはこちら。

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