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#04 2死満塁からの三塁打

7月2週目の週末、前回から4週間ぶりに4年生以下の練習試合が組まれた。8月から4年生以下によるトーナメント戦の大会が始まるので、普段試合に出ていないメンバーの試合経験を積むためにセッティングされた試合だ。

しばらく試合に出る機会のなかったK太も心待ちにしていたことだろう。前日のシャトルティでの自主練にも熱が入っていた。

当日は午前中にあった5年生以下によるジュニアの大会の2回戦に快勝した後、4年生以下のメンバーだけで練習試合相手のホームグラウンドに移動して試合に臨んだ。相手チームは4年生以下だけで2チーム組めるほどちびっ子の多いチームだった。


1試合目は後攻でスタート。K太は8番ライトで先発出場することができた。

初回、4年生の二枚看板の一人が先頭バッターに初球を三塁線に巧いセーフティバントされるも、サードの好フィールディングで1アウト。続く2番打者をキャッチャフライに打ち取り2アウト。次の左の3番打者にヒット性の当たりをレフトに飛ばされるも、やや後ろ目に守っていたK太がしっかり打球に反応し、レフトライナーで3アウトチェンジ。良いリズムで裏の攻撃に移ることができた。

1回裏の攻撃は、先頭バッターがレフトフライに打ち取られるも、そのごヒットと内野安打で1・2塁とし、4番打者が三振に打ち取られるも相手の失策が続いて3点を先制した。なおも2死2塁のチャンスで7番打者がセンターフライを打ち上げ3アウト。初回はK太までは打順が回ってこなかった。

2回表の相手の攻撃は、調子を取り戻したピッチャーが4・5・6番を三者三振と完璧に抑えた。

2回裏、先頭で打席が回ってきたK太は、久しぶりの打席で緊張していたのか、1球目、2球目と内角の緩い球に手を出すことができず、2球で簡単に追い込まれてしまった。監督からは「バットを振らないと打てないぞ!」と檄が飛ぶ。3球目、外角の際どいボールにも手を出すことができなかったが判定はボール。4球目・5球目もボールとなり、6球目の真中に入ってきた緩いボールを打ちに行くも、ボールベースの手前でワンバウンドして空振り。振り逃げを狙うも相手キャッチャーが落ち着いてファーストに転送して敢え無くアウト。最初の打席では練習の成果を出すことはできなかった。

その後、9番バッターのレフト線への3塁打、1番打者の内野ゴロの間に1点を追加。2番の左打者にレフトオーバーのホームランも飛び出し、この回2点を加えた。

3回表は2番手でもう一人の4根遠征エースが登板し、下位打線を3者三振に切って取った。

3回裏、四球、2安打と相手のエラーで3点を加え、無死2塁でK太に2回目の打順が回ってきた。前の打席の悪い印象を払拭すべく、初球から思い切り振りぬくと、強い打球がピッチャーの左を通過。残念ながらショートの正面に転がってしまい1塁に転送されてゴロアウトとなったが、監督やチームメイトからは「ナイスバッティング!」という声をかけてもらうことができた。

次の回を3番手ピッチャーが無失点に抑えて1試合目は終了。結果9-0で快勝した。


2試合目、相手は1試合目に出れなかったBチーム中心のメンバー。うちも、K太とスタメンを争う4年生の残り3人と、2年生1人がスタメン出場。K太も打席経験を積むために、10番DHという特別ルールで出場させてもらった。

初回、4番手ピッチャーが相手の表の攻撃を三者三振で切って取り、裏の攻撃は6点を奪ってなお2死2塁でK太に打順が回ってきたが、打てそうな球にもタイミングが合わず、結局3ボール2ストライクから四球。打者1巡で攻守交替となった。

2回表は普段キャッチャーを務める選手が登板し、この回も3者三振。

2回裏、相手はレギュラーの女子選手3人が投手・捕手・一塁手の助っ人で入ったが、1番から6番までで2死取られながらも3点を奪い、ピッチャーが変わってもさらに連打と四球で1点を追加し、2死満塁でこの試合最後のK太の打席が回ってきた。3ボール1ストライクからの5球目、真中に入ってきたボールを強振し、打球は左中間へ。左翼手が打球処理に手間取る間に1塁ランナーも3塁を回ってホームイン。中継からホームへの送球間にK太はサードを陥れ、優しいスコアラーが記録上スリーベースにしてくれた。

試合はその次の回も無失点で抑え、結局13-0で快勝した。


4年生以下だとなかなか相手になるチームが見つからない中、しっかり点を取り、相手にも隙を与えず勝ち切れるのはやはり強いチームだと思う。その中で、K太や他のサブメンバーも少しずつ役割を果たせるようになってきており、8月に迎える4年生以下の大会が今から楽しみだ。

K太が引き継いだレガシーでのヒットはこれで4本目。そして早くも2本目の長打。いつの日かホームランを打てる日も来るのだろうか。さすがにチビ太の力ではまだしばらく無理だろうが、そんな期待も抱かせてくれるようになってきた。まだまだ色んな挫折も味わうこともあると思うが、これからものびのび野球をやってもらえるよう、できるだけ優しく見守ってあげたいと思う。

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