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#02 初めてのレフトオーバー

息子K太の所属するチーム(スターズ)は、現在6年生4人、5年生9人、4年生12人、2年生1人の合計26人のチーム。

4年生が一番多く、兄弟の影響などて幼児期から始めた選手も多いので、4人が5年生を差し置いてレギュラー戦のスタメンで出ている上手な子が揃っている。

K太は3年生から野球を始めたのだが、同じ時期に始めた同学年の5人と、4年生以下の大会でのスタメンを争っているところだ。

今年4年生以下で参加している大会は、地域の38チームを4つのブロックに分けてリーグ戦を行い、各リーグの1位が決勝トーナメントに進出して優勝を決める大会だ。

K太の所属するスターズは9チームのCブロックに入っていて、既に5試合を終え、主にレギュラー組の活躍で5戦全勝。K太はうち3試合にスタメン、2試合は途中出場で3打数1安打5四死球という成績だ。(1安打は前の記事のヒット)

そして迎えた6月7日、6試合目のリーグ戦で、K太は8番ライトでスタメン出場した。

スターズは後攻。1回表はレギュラー組の先発ピッチャーが打者3人をゴロ2つと三振で簡単に抑え、裏の味方の攻撃は2安打と4四球で4点を先制、7番がファーストへのフライで1死2・3塁でK太の打席が回ってきた。

結果はストライクが入らずフォアボール。うに2球はワイルドピッチでその間にランナー二人はホームイン。次打者の打席でK太は2盗・3盗を決め、さらにワイルドピッチでホームイン。次打者も結局四球で、打者一巡のためイニング終了となった。

2回表は絶好調の4年生エースが、相手の中軸を三者連続三振に切って抑え、再び1番から始まった裏の攻撃は3四球と4安打で相手ピッチャーを攻め立て、無死3塁でK太の打席が回ってきた。

相手の守備はランナー3塁ということで内野はやや前進守備。外野もK太の体格から長打はないと見たのかかなり前に来て守っていた。
しかし、相手ピッチャーはなかなかストライクが入らず、3ボールノーストライクからの4球目もK太の頭の上を通るボール球。K太はしゃがんでバットも後ろに倒してかわしたが、頭を通り過ぎて落ちてきたボールが倒したバットに当たりファウルボールになった。

次の5球目の投球に入る前に、球審をしていた私はK太があまりにホームベースに近づいて立っているのが気になり、タイムをかけて消え掛かっていたバッターボックスの戦を指で描き直し、K太を少し後ろに下げさせた。その方がピッチャーも投げやすくなりストライクが入るような気がしたからだ。

気を取り直して投じられた5球目は、真ん中やや高めの甘いボールがストライクゾーンに入ってきた。K太はそれを思い切り叩き、打球は前に守っていたレフトの頭上を超え、外野の奥に並べられたカラーコーンまで転がっていだので、グラウンドルールでツーベースヒットとなった。

「K太、ナイスバッティング!!」

コーチや味方の声が響き渡る。Kも二塁ベース上で嬉しそうにガッツポーズをしている。


試合は結局21 - 0のの大勝。K太の3打席目は緩いボールにタイミングが合わず三振。2打数1安打1四球3盗塁だった。

試合後、チームメートから
「あのヒットはレガシーのおかげだな」
と言われたみたいだが、今のK太にはそれで十分だ。チビで非力なK太だからこそ、今の実力で少しでもチームに貢献できるように買ってあげだバットなのだから、そうやって成功体験を積み重ねて野球の楽しさを感じてもらえたのならば本望だ。

これでチームはリーグ戦6勝0敗。残り2試合に勝てば決勝トーナメント進出が決まる。

引き継いだレガシーに新たな記録を書き加えたK太の今後の更なる活躍に期待したながら、次の試合を楽しみに待ちたいと思う。

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