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#09 「駆け抜けちゃダメ」

お盆明け最初の試合は、4年生以下の強化のために組まれた練習試合。

まだお盆休みのメンバーもいて、この日の4年生以下は最近入ったばかりの1年生と2年生の二人を合わせて10人。2年生の子はまだユニフォームも当たってないので、1年生の子が8番ライトに入り、K太は繋ぎの9番レフトでの出場となった。

<1回表>
守備から始まった試合は、2番手エースが先発し、先頭打者をピッチャーゴロに打ち取ると、続く2番打者も平凡なセカンドゴロ。しかし、普段K太と外野のスタメンを争う子が今日はセカンドを守っており、いきなりの打球に身体が固くなったのか、ゴロを弾いてしまいセーフ。
さらにワイルドピッチでセカンドに進まれる嫌な流れとなったが、続く3番4番を連続三振に打ち取り、無失点で切り抜ける。

<1回裏>
先頭打者がいきなりレフトオーバーの二塁打で出塁すると、すかさず3盗を決め、2番打者の1塁ゴロの間に1点先制。4番の長打に相手エラーも絡みさらに1点を追加。

<2回表>
先程エラーしたセカンドとK太がポジションを交代し、K太が珍しくセカンドに回る。
先頭打者に四球を与えるも、2盗を阻止して1アウト。後続も打ち取り三者凡退。

<2回裏>
7番、8番が倒れた後の9番K太。
初球の高めの球を冷静に見送り、2球めのファーストストライクに反応。ややタイミングがずれて泳ぎ気味になるも、打球は三塁線への強めのゴロ。これを相手サードが弾き、ファウルゾーンへ転がった。

先輩が前に「内野ゴロは打球を見なくていいから全力で駆け抜けろ」と言われていたのを見ていたのか、K太は一目散にファーストベースを駆け抜ける。

そこでようやく監督、コーチ、一塁コーチャーの回れの声に気付き、方向転換してセカンドへ。

だいたいそこで間に合わずにアウトになる絵が想像できたが、滑り込んだK太の足がわずかに先にセカンドベースに到達してセーフ。

「そういう時は駆け抜けちゃダメ!」

とお咎めを受けたK太。仕方ない、これも勉強だ。

兎にも角にも1番に繋ぐことができ、1番打者が注文通りのレフト前ヒットを放ち、K太は2塁から一気に生還。9番打者に抜擢(?)された役割を無事果たす事が出来た。


その後も試合を優位に進め、3回には3点、4回にも1点を加える。
守っては3番手→1番手と繋いで完封リレー。
試合は7ー0での快勝だった。

相手の2番手はかなりの速球派で、K太の2打席目はショートゴロに倒れたが、今まで見たいに振り遅れて前に飛ばせないという感じは無くなってきた。

まだまだ覚えなきゃいけないことは沢山あるけれど、今のうちからこうして試合に出て経験を積ませてもらえれば、着実に成長出来ることだろう。

明日は4年生以下の公式リーグ戦の最終戦。相手は去年3年生以下の大会の決勝戦で当たった強豪チームだ。その試合、K太はベンチで見ているだけだったが、成長した姿を見せられるかな。

頑張れK太!

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