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アルビオンオンライン ロイヤル大陸滞在記『タゲ取り物語』第一話

一、栄光のダブルファウンダー

『アルビオンオンライン』をプレイしようと決めた2023年3月11日、アプリをiPad proにインストールして、ゲームを起動させると、〈アルビオン・イーストサーバー(アジアパシフィック地域)〉はクローズドベータの真っ最中だった。もう一方のアルビオン・ウエストは2017年から稼働しているらしく、こちらのサーバーでは即刻プレイすることが可能なようだった(が、試してはいない)。公式ホームページを見てみると、イーストのクローズドベータに参加するには〈ファウンダーパック〉というものを購入しなければならない、ということが分かった。
 ファウンダーパックのラインナップは、

・クリスタルファウンダー(US$199.95)
・ゴールドファウンダー(US$99.95)
・シルバーファウンダー(US$49.95)
・ブロンズファウンダー(US$19.95)

 の4種類があった。
 一刻も早くゲームをプレイしたい、という衝動に駆られていた僕にとって、各ファウンダーパックの違いを仔細に比較・検討するという行為は、愚行以外の何ものでもなかった。パッと見、気になる項目は、キャラクター名とギルド名の保護だけだったし、名前の保護は4商品全てにラインナップされていたので、とりあえず一番安いやつを買っておこう、とブロンズファウンダーを購入した(ちなみに、最近は、キャラクターをIDで管理しているゲームが多い。ID管理のゲームは、後から名前を自由に変更することが出来るので、気軽に名前をつけられる。アルビオンオンラインは、キャラクターを名前で管理するタイプのゲームなので、一度決めた名前は二度と変更することが出来ない、と思う)。
 ファウンダーを購入したら、サーバーの選択肢の中から〈イーストサーバー(シンガポール)〉を選択することが出来た。余談だが、僕は12歳の頃にシンガポールに家族旅行にいったことがある。世界一大きなおもちゃ屋があって、そこでブルース・リーのアクションフィギュアを買ってもらった。
――それはどうでもいいとして、画面にキャラクター名の入力欄が表示されたので、いつもの〈Tachyon〉を入力したところ、その名前は既に使用されているという。「遅かったか!」と僕は内心悔やんだ。まぁしかし、〈Tachyon(タキオン)〉という名前のスペルは、初見の人からは「館(たち)さん」とか「たちょんさん」と呼ばれることがほとんどで、その都度「タキオンと読みます」と訂正するのが億劫な名前でもあった。ここは、ローマ字読みの〈Takion〉で行ってみよう、と名前を入力し直したところ、今度はすんなり通ってキャラクターの容姿を選択する画面になった。まずは性別(男)を選択して、簡単なキャラメイクを行う。
 アルビオンオンラインのキャラクターの容姿は、洋ゲーチックかつデフォルメ系だ。正直に言ってしまうと、昨今の3Dゲームのキャラクタークオリティとアルビオンオンラインのそれとを比較すると、ちょっと見劣りするレベルではある。が、アルビオンオンラインはクロスプラットフォーム対応(iOS、Android、mac、Windowsで動作する)だし、大規模な集団戦もある訳だし、その点はご愛嬌ということにしておこう。
 キャラクターの容姿は、後からいつでも変更出来るらしいので、何となくリアルの自分の外見に似つかわしい選択肢をチョイスした(かつてセガのPSO2をプレイした時には、最初のキャラメイクで一週間悩み抜いて、一向にゲームを開始することが出来なかったことを思い出す)。
 キャラクターの作成が終わると、いよいよチュートリアルが始まった。
 チュートリアルでは、マーケットの利用方法を学んだり、移動用マウント(騎獣)の扱い方を学んだり、素材の採取や加工方法を学んだりした。各システムの詳細は、後日詳しく書こうと思っている。とりあえずは、過去に何らかのMMORPGをプレイしたことがある人なら、説明をすっ飛ばしても簡単に理解することが出来るような内容だった、とだけ言っておく。
 最後に戦闘ミッションをクリアすると、チュートリアル島からロイヤル大陸に向かう船に乗るようNPCから促された。船に乗り込むと、画面が切り替わって、Highland Cross(ハイランドクロス)という小ぢんまりとした港町に到着した。
 桟橋にいる衛兵に話しかけると、司令官のところに行くよう命じられた。僕の周りには、僕と同じような新規プレイヤーらしき人が2、3人いる。司令官のもとに向かう途中、ハイランドクロスのど真ん中に設置してある巨大な宝箱が気になった。人々が宝箱の周囲に群がっている。近寄って触ってみると、それはUOでいうところの銀行(荷物預かり所)だった。UOの銀行は銀行然とした建物だった。ちゃんと入り口があって、中に入ると奥のカウンターにNPCが立っていて、という具合に。「これはちょっと風情がないな」と思いながら、僕は銀行を後にした。
 司令官は、銀行の近くに立っていた。近寄って話しかけると、クエストを与えてくれた。「アルビオンオンラインは、クエストがないことが売りの一つだったのではないのか?」といぶかりながら、いくつかのお使いクエストをこなして、クローズドベータ初日のプレイを終えた。

「クローズドベータ、今日で終わりかよ!」
 翌日、クローズドベータが3月12日で終了するということを公式ホームページを見て知った。アルビオンイーストの正式なオープン日は3月20日かららしいのだが、高額なファウンダーパックを購入したプレイヤーから順番にアーリーアクセスが開始されるという。

・3月15日からアーリーアクセス可能(クリスタルファウンダーとゴールドファウンダー)
・3月17日からアーリーアクセス可能(シルバーファウンダー)
・3月19日からアーリーアクセス可能(ブロンズファウンダー)
・3月20日からアルビオンイーストオープン(非課金プレイヤー)

 僕が購入したのはブロンズファウンダーなので、このままだと3月19日までアルビオンオンラインをプレイすることが出来ないということになる。「WTF! 各ファウンダーパックの違いを仔細に比較・検討すべきだった……」、まさに〈やっちまったな俺〉であったが、僕に付き合って一緒にクローズドベータに参加してくれた友人(ハムさん)には、あたかも初めから知っていたふうを装って「とりあえずお試し的にブロンズファウンダーにした訳だけれど、実際にプレイしてみたらアーリーアクセス初日から参加したくなっちゃったな」とうそぶいた。この場を借りて、ハムさんに謝罪したいと思います。つまらない虚勢を張ってごめんなさい。
 結局僕は、ゴールドファウンダーを追加購入した。最初に買ったブロンズファウンダーの特典は、

・30日分のプレミアム
・サーバー起動への一日のヘッドスタート
・キャラクター、ギルド名の保護
・150ゴールド
・クローズドベータアクセス
・ファウンダー証明書の家具アイテム

 という内容だった。プレミアムというのは、文字通りゲーム内において様々な〈おまけ〉がつく権利のことを指す。名声(経験値のようなもの)や、シルバー(ゲーム内通貨)、そのほか素材の収集量が50%増加したり、町にある施設の利用料が50%軽減されたり、自分の島を持てるようになったり、時短や効率を上げられるポイントが毎日付与されるという、至れり尽くせりの内容だ。ちなみに、プレミアム権は、もう一種のゲーム内通貨であるゴールドを使って購入することも出来る。ゴールドの入手方法は二通りあって、課金して入手するか、シルバーでゴールドを買うか、だ(為替システムによってゴールドの価格は日々変動する)。

ゴールドマーケット

 次の項目、〈サーバー起動への一日のヘッドスタート〉というのは、実にへんてこりんな日本語だが、公式ページにはこのように記載されていた。要は、「正式オープンの一日前にアーリーアクセス出来るよ」という意味だ。
 3〜6項目は、読んで字の如くなので説明は割愛する。
 続いて、ゴールドファウンダーの特典は、

・180日分のプレミアム
・サーバー起動への五日のヘッドスタート
・キャラクター、ギルド名の保護
・ファウンダーアバターとファウンダーリング
・シーフェアラーの騎乗馬スキン
・1000ゴールド
・クローズドベータアクセス
・ファウンダーネイムタグ
・シーフェアラーのコスチュームスキン
・ファウンダー証明書の家具アイテム

 という内容だ。プレミアムの有効期限や入手ゴールド量の増加に加え、シーフェアラー(船乗り)関連のアバターやスキンが追加されている。
 長々と説明したが、つまり僕は、210日分のプレミアムと1150ゴールドとその他諸々を入手したということになる。本腰を入れてアルビオンオンラインをプレイするなら、効率の良いプレミアムに入らない訳にはいかないし、そもそも僕は、例えそれが基本プレイ無料のゲームであっても、タダではゲームをしない主義を貫いてきた。推しのゲームならサ終にならないように応援したい派だ(過去には、応援し過ぎたこともなきにしもあらずだけれど……)。
 アルビオンオンラインには、ガチャがない。販売されているのは、プレミアム権(月額換算で約2,000円)とキャラクタースキン(一番高額なもので4,000円弱)とゲーム内通貨のゴールドのみだ。「今時このような安価なラインナップだけで、本当に採算がとれているのだろうか?」と、逆にこちらが心配になってしまうレベルだ。
 僕は、声を大にして言いたい。「アルビオンオンラインは、お財布にやさしいゲームである」と。

 UO時代の仲間たちから応答があった。
 連絡をした9人のうち2人はLINEを知っていたので、その2人からは即答があったのだけれど、残りの7人はmixiからメッセージを送る以外に連絡をとる方法がなかったので、反応があるかどうか心配だったのだ。
 mixiのほうは、7人中1人から――まさに奇跡的な――返信があった。実に17年ぶりの邂逅だ。
 3人には、アルビオンオンラインが「ほぼUO」であると伝え、「また一緒に冒険に出よう」と呼びかけた。
 アルビオンイーストへのアーリーアクセス初日まであと3日。僕は期待に胸を弾ませていた。

ゴールドファウンダー内訳

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