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孤狼の血 LEVEL2 は極道映画じゃなかった・・・

孤狼の血 LEVEL2を観てきたのでその感想を書く。
ネタバレ有りなので要注意。

まず最初に、ハッキリと言っておきたい。
オイラは極道映画が好きだ。

世の中がどんどん”皆、品行方正であれ”、という方向に進んでいくにつれて、純粋な極道映画が撮られなくなっているような気がしてて。

映画を観た後、登場人物になりきった気分で、がに股で肩をゆらしながら歩いて、ああーん?とか、おおぅー?とか言いながら映画館を後にする、思わずそんなんなってしまう極道映画をオイラは熱望しているのだ。

実際のオイラはスーパー臆病チキンオヤジなので、一本筋の通った漢の姿に憧れるのである。

もちろん、前作の”孤狼の血”も映画館に観に行った。

前作では、極道が、対立する組どうしでバチバチの抗争を繰り広げ、悪徳刑事が暗躍し、広島県警の内部では陰謀がうずまいていた。

昭和の香りが漂う正統派極道映画と、警察サスペンス映画が丁度いい具合に調合された傑作だった。

なので、否が応でも”孤狼の血 LEVEL2”への期待は高まる。

さあ漢たちよ、己の仁義を、力でぶつけ合うところを再び存分に魅せてくれ! いざ!!

・・・

・・・観終わったら、何か疲れた。

今作LEVEL2では、極道の方々は金儲けに夢中で、抗争はほとんどしない。
主人公の刑事(松坂桃李くん)はチンピラのような風貌で悪ぶっているように見せるが、前作で、実は全ては極道をおとなしくさせておくためだという種明かしがされているので、ダーティー感が全く無い。
警察組織内の陰謀は、今作も健在だったが。

前作で話の主軸になっていた、極道組織どうしの抗争と、それに対峙するダーティー刑事という2本柱が今作では消滅してしまい、それらに変えて打ち立てられていたのは、サイコパス極道(鈴木亮平くん)の暴走物語。

刑務所に入っていた亮平くんが出所してくるのだが、オヤジとよんで慕っていた当時の会長が殺されたことを知り、その敵を討つべく滅茶苦茶アクティブに活動する。

まずは、上部団体のフロント企業の社長の指を切り落として脅して自分の会社にしてしまって金づるをゲットし、そのことを咎めてきた上部団体の幹部の頭にアイスピックをブッ刺して殺すのだが、全く情けないことに、それに対して何故か上部団体がノーリアクション。幹部殺されて黙ってる極道ってなんやねん。
映画の終盤では、慕ってたはずの、前会長の妻も殺すし。もう仁義もなにもあったもんじゃない。

亮平くんは他にも、刑務所で自分に暴力を振るってきていた刑務官の妹とか、跡目を継いだ今の会長とその妻とか、自分の組に潜入してた警察のスパイ(松坂桃李くんと超仲良し)を、殺す。

そしてただ殺すだけじゃなくて、自分の両手の親指で、相手の眼球を抉り出す。

・・・いるんか、このルーチン。
少年時代の経験からそういう行為におよんでいるみたいなのだが・・・

そんな亮平くんが極道側の主人公になっている映画なので、もうこれは極道映画ではなく、スプラッタ映画と警察サスペンス映画の融合と呼びたくなるような仕上がりに・・・

映画を観終わった後のオイラは、オラオラと虚勢をはることもなく、やや精神にダメージを受けてグッタリしながら、映画館をあとにしたのでした。


繰り返しになるけれども、この記事は、極道映画が観たくてウズウズしてたオッサンが”孤狼の血 LEVEL2”を観ての感想文です。

「別にそんな、極道の組織どうしがバチバチやってるばっかりの映画が観たいんちゃうねん」
という方は、オイラの感想文は決して参考にしないように。

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