コンビニのイートインスペースとコミュニティ
朝、広島市内へ。
広島の人は、街の中心地に行くときに
「市内へ行く」という。
いわゆるビジネス街や繁華街が多く集まる場所のことを指すようだ。
多くの人の居住地は広島市内なのに
「広島市内在住の人が、‘市内に行く’ってどういうこと?」
と広島に移住した当初は混乱したものだ。
目的地に早くついてしまったので
コンビニのイートインスペースで時間を費やすこととする。
私は本を読みながら、
ぼんやりとスペースにいる人たちに視線を送る。
出張なのか、小さいスーツケースをゴロゴロと引っ張り
どかっと椅子に座って熱いコーヒーをほぼ一気飲みする女性。鉄の舌だ。
スペイン語らしきで話す外国人カップル。
2人とも短パン、ノースリーブ。四季はどこへいった。
サラリーマン風の男性。席について、パンを頬張り
コーヒーで流し込んでいる。座って2分ほどで離席。フードファイターか。
金髪ソバージュ、シマウマの絵が描いたビッグTシャツの
長州力似のおばさんはコンビニ弁当を美味しそうに掻き込んでいる。
みんな、長くとも15分くらいで席を立つ。
ここは、イートインペース。
商品を買えば、誰でも出入りできる。
何となく、何もないスペース。
だから、誰でもOKな雰囲気があるのか。
ただ、このスペースはコミュニティではない。
それぞれの目的を成し遂げたら
それでおしまい。
無数の人が行き交うのになぁ、
なんか勿体無いなぁ、
やっぱり人とのつながりを作るには
そこにつなげ役の人が必要なんだよなぁ、
と感じた月曜日の朝。
工事現場のお兄さんたちの
ファン付きジャケットの
風音とすれ違って
コンビニを出るのでした。