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 シューベルト以降の交響曲をすべて聴こうと、一体、何人のシンフォニスト(交響曲の作曲家)がいるのかもわからず始めたリストアップですが、8月末に1000名を一気に超えて、現在、1177名になりました。
 これまで、色々な情報ソースからネタを集めて照合、調査しながら、週に数十人ペースでリストアップしてきましたが、ようやく一段落したところで、改めて作曲家リストを眺めてみました。

作曲家リストはこちら

対象とした作曲家は、
  ・ おおよそ1750年生誕以降、
  ・ 交響曲を1曲でも書いた作曲家、
  ・ 日本・中国の作曲家はひとまず除外
といった条件が付いています。
 また、悩ましいのが「シンフォニエッタ」で、その言葉の意味するところが国や年代、作曲家によっても異なり、「シンフォニエッタって交響曲?」なんですが、できるだけ広めにリストに含めるようにしています。

今までに聴いた数

 2021.09.01現在、下記のとおりとなっています。

これまでにリストアップした作曲家数、曲数は、
  作曲家数   : 1177人
  交響曲数   : 5984曲
内、これまでに聴いた数は、
  作曲家数   : 211人(お気に入りは 74人)
  交響曲数   : 894曲

年代別 作曲家数

 年代別に作曲家数を見ると、1900年前後に生まれた作曲家がひときわ多いのが分かります。実際に作曲した年代はそこから ん十年後 になりますが、この時代はちょうど2つの世界大戦を挟んで、後期ロマン派から近代、新古典主義に移っていく時代で、交響曲も巨大化し厭世観も漂ってモダンな形に移り変わろうという時代。リストアップするにあたって、特定の年代を狙って集めたわけではありませんので、この年代の作曲家数が多いのは、実際に交響曲の全盛期だったということでしょうか。この年代以前の古典派時代にも一人で数多くの交響曲を作曲した方は沢山いました。ただ、現存する情報の量から考えると、アクセス可能な情報が19世紀後半から数多く残っているからかもしれません。その時代における作曲家や演奏家の位置づけ、規模、生業の仕方なども影響しているのでしょう。一方、1940年以降、急激に数が減っているのは、交響曲という形式自体が多様化とともに不確定なものとなり、作曲家の数も減少しているように思います。もちろん、ご存命中の方がこれから多数の交響曲を作曲されるとは思いますが。

 その意味では、総合芸術の姿としての交響曲というものの将来は、なかなか見えませんね。

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 このグラフを見ると、今まで聴いてきた作曲家数(青色+灰色)はまだ全体の20%弱です。その中で、お気に入りの作曲家が1860年、70年代生誕が多いのは、ロマン派最晩年から民族派、新古典主義派、それに加えて北欧勢がお気に入りだということを示しています。

 ちなみに、この20年間に生誕を迎えたお気に入り作曲家は、
グスタフ・マーラー、アントン・アレンスキー、クロード・ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、ヨハン・ハルヴォルセン、
オイゲン・ダルベール、ジャン・シベリウス、カール・ニールセン、
オーギュスト・ド・ベック、ポール・デュカス、
ヴァシリー・カリンニコフ、ブルール・ベックマン、
ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエル、エイミー・ビーチ、
グランヴィル・バントック、アルベール・ルーセル、ギヨーム・ルクー、
アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー、
ヴィルヘルム・ステーンハンマル、アレクサンドル・スクリャービン、
アイヴィン・アルネス、セルゲイ・ラフマニノフ、フランツ・シュミット、
グスターヴ・ホルスト、ホーコン・ベアセン、オット・オルソン
といった顔ぶれとなります。

 そしてこれらの作曲家に続いて、
ボフスラフ・マルティヌー、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、
サミュエル・バーバー、アンリ・デュティユー
といった気鋭のお気に入りが続いていきます。

年代別交響曲数

 同様に、年代別に交響曲数を見てみると、作曲家数に比例した形のグラフになります。1940年代生誕の数が特異的に多いのは、ブルジョワ(116曲!)、セーゲルスタム(342曲⁉。ご健在でしょう)といった人がいるからで、ちょっと除外させてもらうと上のグラフに似てきます。

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 ここで、今までに聴いてきた曲数は、5984曲中 894曲(15%程度)であり、現時点で私がアクセス可能な音源(個人的に新規投資なく聴けるという意)としては、交響曲全曲の音源が揃っている作曲家数は370人(1090曲)もあります。音源の一部が欠落しているけど聴くことの可能な曲も多数あります。うれしい限りで、時間がいくらあっても足りません。

国別作曲家数

 国別に作曲家数を見てみると、意外な結果になりました。一番はどの国だと思われますか?

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 なんとアメリカでした! 作曲家のリストアップは、当初、ドイツ、オーストリア、イギリスあたりのヨーロッパ圏から始め、ロシア、中欧、東欧、北欧あたりに広がっていったのですが、近代以降に、なんとアメリカ人作曲家が一気に増えて、このような結果になりました。

 ちなみに、アメリカ人作曲家は近代に集中して多く、まだまだ追い切れていません。
 そのなかでお気に入りとしては、
エイミー・ビーチ、ヴィットリオ・ジャンニーニ、サミュエル・バーバー、ネッド・ローレム、フィリップ・グラス
といったところです。

これから・・

 今後もリストは増え続けるでしょうが、増加ペースは収まりつつあり、最終的には1300人程度になるのではないかと思っています(まだ、分かりませんが・・)

 それぞれ、どの指揮者、どのオケの演奏を聴いたのか、どんな風に感じたか、といったことについては、作曲家ごとに note にまとめていますので、よろしければそちらをご覧ください。

更新履歴は、What's New よりご覧ください。




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