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Pycon mini Sapporo 2019 に参加してきました #pyconsap

2019年5月11日に札幌で開催されたPythonのカンファレンス、 "Pycon mini Sapporo 2019" に参加してきました。

LTにも登壇したのですが、そちらは別途記事とします。
→書きました。

どんなイベントか

サイトより引用します。

PyCon mini Sapporo は「Pythonの魅力をもっと多くの人に知ってほしい」「札幌でもPythonを広めたい」そんな思いで開催するイベントです。約4年ぶりの開催ですが、PythonがAIや機械学習などで使われることにより、前回よりもPythonの需要は高まっているように感じます。
そこで今回はPython初心者から中級者、特にPythonを学びたい若手エンジニアや学生向けのセッションを多数用意しました。
ぜひイベントに参加して、みんなで一緒にPythonを学びましょう!

普段は私はPHP・Java・JavaScriptを使うことが多いので、Python初心者として参加してきました。
イベントの様子は、こちらのTogetterのまとめでも感じることができるかと思います。

個人的に印象に残ったところまとめ

多くのセッションがあり、どれも大いに刺激を受けるものでした。
自分が聴講したセッションから、特に「これは!」と思ったポイントを挙げさせていただきます。

「Pythonとはなんなのか?」: 柴田 淳さん @ats

日本のPythonの第一人者柴田さんによる、Pythonの大まかな歴史と役割の変遷、そして今後に向けたお話でした。

多くの分野(Webだけでなく計算の関わる領域などでも)で活用されるようになったPythonだからこそ身につける価値が高く、それは次に新しい分野が来ても損なわれることは無い、というところが非常に印象に残りました。

また、Pythonの指向性として「誰にとっても使いやすい道具であるべきとする、適度な一貫性がある。」という紹介が、Pythonの特徴としてとてもわかりやすかったです。

“Pythonでセキュリティ”はじめの一歩ーSANS InstituteのPython ー SANS InstituteのAutomating Information Security with Pythonうけてみた: 松本 照吾さん @matg31

AWSの松本さんによる、セキュリティとPythonの話でした。

柴田さんの話でもありましたが、Pythonの応用分野としてセキュリティ領域の話を伺うことができました。
特に技術「以外」の領域がセキュリティ・ガバナンスでは重要な面も多く、そこでいかに技術や運用と協力をしていく「DevSecOps」という体制を作るか、という点は非常に考えさせらるものでした。

また、上記のように応用分野を扱うために "Learn by *: * を学ぶではなく、* で学ぶ" という取り組み方も、とても良いものだと思いました。
一つの目的を手段化し、そこより先にある別の目的達成を目指す、という考え方はモチベーションのコントロールのためにも良いものでは、と感じます。

実験から量産までMicroPythonで動く! IoTセンサー Degu(デグー) を作った話: 大澤 啓明さん @keimei

デグー可愛い

IoTセンサーデバイスをオープンソースで公開するDegu Project(https://open-degu.com/)の紹介セッションでした。

各種センサーを繋げて、クラウドへ送って、というのは自力でやろうとするとそこそこ手間がかかります。センサーからデータを取り出すところも、信号の規格に合わせて、とか、取り出したバイナリを変換して、とか、割と面倒だったりします。

そういったものも含めて、ハードから準備しておきますよ、というものでした。

これは何か仕事に活かせないものか、と想像するのも楽しいものでした。

Simple-Spotify: Pythonでシンプルに楽曲データを扱うライブラリ: 横山 直敬さん @NaoY_py

Spotify API を認証周り含めて手軽に扱えるようにした "Simple-Spotify" の紹介セッションでした。
https://github.com/NaoY-2501/simple_spotify

Spotify APIから楽曲の特徴を取得することもできるようなので、SpotifyのWebクライアントを作るだけでなく、楽曲の特徴分析をいれた独自のサービスを作る際にすっと扱えそう、という印象でした。

認証周りの流れは、同様の実装が必要な時のサンプルとして参照してもよさそうです。

ZappaでDBもパッケージしたサーバーレスAPIを構築してみた: Yasunori Kirimoto @dayjournal_nori

Pythonで機能実装できるBaaSをAWS上に構築する、 Zappa の紹介セッションでした。(という理解をしました)

既存のサービスだと Firebase の Functions と同じような流れになる、と感じました。Firebase FunctionsですとJavaScript(Node.js)ですが、Pythonで開発したい場合にはこの Zappa を使うと、デプロイ周りを完全に自動化できてしまえるようで、かなり便利そうでした。

後半は利用例としてフロントエンドから利用するデモとなり、PythonのカンファレンスながらJavaScript/TypeScriptのコードを見ることにもなりました(笑)。

PythonistaのためのコードレビューTips: 新井 正貴さん @massa142

Pythonに限らず、コードレビューを行なう上でのポイントを紹介するセッションでした。
実際の現場での経験を元とされたお話だったので、会場での納得感もとても高かったように感じます。

個人的に良い・現場ですぐ使いたいと思うところを。

* Style GuideによるLint / 自動整形は機械がやる
* それ以外のコードレビューは人間がやる

当然と言えば当然なんですが、まずはこういう地道な足回りの整備と共通理解を作る、というのはチームでの開発を始める上でとても重要だと感じます。

また、レビューで「褒めるコメント」を入れるというのも、良い循環を生む上でも大切だと思いました。

あと、発表のスタイルそのもので、「途中に休憩を入れる」という作り方はとても参考になりました。
(新井さんは今回のカンファレンスのベストスピーカー賞に選出されました。おめでとうございます!)

入門pandas - 仕事と趣味で実践的に使うためのお作法: Shinichi Nakagawaさん @shinyorke

データ分析のための「前処理」や「可視化」といった、前後のめんどくさいものをうまく扱ってくれる pandas の紹介セッションでした。

この辺りは完全に門外漢なので、聞いていてとても楽しかったです。
また、プレゼンをJupyter Notebookを使っていて、コードを動かしながらプレゼンできる(スライドとターミナルの行き来なくできる)というのはとても魅力的でした。

まとめ

前夜祭・懇親会も含め、とても刺激的なカンファレンスでした。

私の所属企業の変化で関わる領域に地図関連が入ってきたこともあり、とても興味深いお話も聞かせてもらえたりしました。
今後は地図関連やデータ分析関連の勉強会なども、積極的に参加したいですね。

おまけ

LTでChutaさん(@fel97048)がネタにしていたMonty Paythonは、是非行きたいと思いました。(こなみかん


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