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半世紀前の生活の匂い~グンマー秘境編その13

そうだ、秘境、行こう。

そんなワケの分からない理由から始まった日帰り旅の第13回でございます。

社宅棟の見学の続きです。
家族寮の建物の中を、懐かしさを感じつつ眺めています。
展示されてる家具とか、ホントいつか見た風景なので。
そんなことを感じながら、じっくり内部を見渡してみると、ふと、あることに気付きました。

妙に天井が高いです。

そう。妙に天井が高いんです。
江戸時代の邸とかですと、いざという時に刀を抜いて戦えるようにわざと高くしてあるとか、逆に物騒な真似がしにくいように低く作ってあるとか、そういう意図がある建物が数多くあるのですが、ここはそんな時代に建ったものではないですし。
こんな天井が高いと、冬なんか相当寒かったんじゃないかな……?
ましてやここ、冬場は上州おろしのふきっさらしになる土地柄だし。
おまけにですね。

この日はかなり綺麗に晴れてるんですが、内部はこんな感じなのです。あまり光は入ってこない

戦前の家屋って、特にこういう長屋スタイルの家は外の光が中まで入ってこなくて今の建物以上に暗いんですよね。
電灯も蛍光灯とかなくて裸電球とかですから。
この薄暗い感じも時代を感じる要因でもあるのですが。
まあ、当時はこれが当然だったのですが。

こうして見てみると、外の光が眩しく感じるくらい、中は暗いです。
火鉢に古めかしいテレビ。

こんなん、ホント高度成長期入ろうかという時代に迷い込んだみたいな図ですよね。
特にこんなテレビとか、今時博物館にでも行かないとお目にかかれない代物ですが、こんな日本家屋の部屋の隅に、こういうものが当時そのままのような感じで置かれていることに、ここの展示の価値があると思います。

ちなみに、下のふすまは閉めても、上の障子を開けて風を通すことができます。
正面の出入り戸上には神棚が

このくらいの時代までは各家庭に当たり前に神棚があったんですよね。
今ではあまり見ることがなくなってしまいましたが。
そして、ここの右側は。

台所があります。

ここの台所だけ、妙に天井が低いんですよね。
おまけに、流し台の方に向かって天井がさらに低くなる傾斜が付いていまして。
流し台の窓の高さがかなり低いんですよね。
この窓の高さから見るに、実は建築当初はここ、床は葺かれてなくて、土間だったんじゃないかと思う次第。

簡素ながら食器棚が置かれています

さて、だいたい内部を奥まで見てきましたので、そろそろ出ましょう。
出る前に、縁側の方を見ておきましょうか。

南向きの縁側は陽当たりがよくて、ゆっくりお茶したくなりますね。
やっぱり天井は高め
やっぱりこういう雰囲気、良いですねぇ。

ここから、外で遊ぶ子供たちの様子を見ながら、お母さんたちはお茶を飲みながら話に華を刺させていたんでしょうか。

というわけで、社宅棟の見学はひとまずこの辺で。
次は一旦正面の方へ戻って、工場内の別の方角の建物群を見学します。

というわけで、今日のところはこの辺で。
続きはまた。

よろしければ、この先もお付き合いくださいませ。

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