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元ボンボンの地団駄vol18

当面の運転資金を一気に確保したバカボン。

ここから僕の迷走が始まるのである。

ある日、小学校の時からの同級生で地元で自身も商売をしている、色んなことにストイックに取り組む筋肉系天然パーマの友人と食事に行った。彼は健康器具をタイで製造し輸入販売をしていた。そんな彼に誘われてタイに旅行兼視察兼旅行。。。えーっと旅行ですね。に、行くことになった。

僕の目的はタイの製造工場を見る事と、グローブを製造したときにお世話になった台湾人のピーターの弟にご挨拶をする事。後は、何か輸入できそうな商品を見つける事、そして観光(笑)

海外に行く。という事に対して、当たり前だけど、僕にはハードルというモノが全くない。空港、ホテルは基本英語が使えるので特に不自由はない。

タイに向けて出発した。

まず最初にパタヤというリゾート地に滞在した。めっちゃリゾート。。。もはや仕事ではない。海はきれいでは無かったので、ホテルのプールでのんびりと。そして、夜になれば街に繰り出す。。。

初めてのタイに僕は衝撃を受ける。。。実は僕はタイの知識を全く勉強せずにタイに行った。友人にすべてを任せていたし、初めて行く国の知識を何も入れずに行くのも面白いと思っていた。

タイの経済は女性が回しているのだと初めて知った。GO!GO!言いながら、多くの欧米人がタイ人女性と肩を組んで歩いている。日本代表のバカボンはというと、、、そこは御想像にお任せ致しますm(__)m

工場見学を終え、その工場の方にバンコクまで車で送ってもらう事になった。位置関係が分かっていなかったのだけれど、かなり時間が掛かったように思う。パタヤからバンコクに入るとまた雰囲気が変わる。大都市なのである。バンコクも相変わらずGO!GO!いうてるのは一緒ですが。。。そして、バンコクでグローブ製造でお世話になったピーターの弟に会う事になり、ホテルのロビーで待ち合わせた。

眼鏡を掛けたチンチクリンのおっさんが立っている。デニーだ。

バンコクではこのチンチクリンおっさんにとてもお世話になった。様々な寺院、王宮や観光名所に連れ行ってもらった。そしてこの旅最大の目的でもあるウィークエンドマーケットに連れっていってもらった。広大な敷地の中に無数の店舗がひしめき合っている。中は迷路のようになっていて、どこを歩いてるのか、この通りもさっき通った道なのか、この店はさっき見た店なのか全く分からない。。。どちらにしても、物価自体は非常に安いので、気になるモノがあったらとにかく価格交渉をして購入し、名刺も貰うというような事を丸一日した。

そこで、僕はある商品に目が留まった。色鮮やかな花がデザインされたカバンが売っていたのだ。よく見ると生花。押し花の原理で鮮やかな南国の花の色を残したまま押し花にされて、その生地(やわらかいプラスチックのような)で作られたカバン。非常に興味深かったので、僕は数点の商品とその会社の名刺を貰った。そして、次の日にその会社に突撃した。

こういう時の行動力は半端ないのである。

翌日、会社兼工場を訪れると色とりどりの花が白砂の上で乾燥させられている。化粧が濃い上沼恵美子を若くしたような女社長が出迎えてくれた。恵美子社長はにこやかに、「昨日の夜は女の子とたくさん遊んだ?」と、当たり前のように聞かれ、筋肉系天パーの友人も普通に、YES!というのである、、、やはり、それで成り立っている部分が大きい国なのかもしれない。。。多分。

製造工程などを見せて頂き、ショールームを見ると、全商品約100種類以上もあるし、ヨーロッパ方面への輸出もしているとの事。生花とはいえ、乾燥させ圧着させている為、輸入的にもカバンと同じくくりということで、それほどハードルも高くない。とりあえず、シューズメーカーとの商売で得た教訓で、「急がない、飛びつかない」を覚えたバカボン。一旦、持ち帰る。

この商品については、日本に帰ってから地道な営業と展示会の出店により、初回はある程度のオーダーを入れることが出来た、、、が、しかし、、、

イマイチでした。。。

オーダーを頂いた会社からは目新しさ的な感じでオーダーを頂いたと思うのですが、続かない。。。そう、マーケット的にはイマイチ!の烙印をおされてしまいました。

結構な数の在庫が残っている。。。しかし、市場の反応は何をどうしたってなかなか変わるモノではない。。。結局、お蔵入りと相成りました。。。シューズメーカーの時ほどではないにしても、またまた結構な損失を出してしまった。

そう、この時僕はまだ自分の能力を分かっていなかった。僕には販売力が無い。新商品を大きく展開することが出来ないという事に気づいていなかった。。。そしてバカボンは、そんな自分を顧みることなく、この先も様々な商材に手を出していくのである。



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