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好きだった人の彼氏に車を売る

中学時代の偶像、毒舌で男好きの同級生。目をしばしばさせる癖、そのせいで魚を彷彿とさせるこめかみ。なんか気に入らないという理由で「あの子とは仲良くするな」と言ってきたり、カップルを破壊しようとする謎の立ち回りのよさ。彼女とは1年間くらいテニスのダブルスを組んでいたけど、前衛の彼女にうしろからボールを当てても(日頃の恨みがあるのでちょっとだけ面白くなる)怒鳴るとかしなくてやさしかった。当時はローラに似ていると思っていたけど、EXITの兼近が出てきたとき、めちゃくちゃ似ていてびびった。

左の白い軽バン 乗り心地最高の愛車

北海道ではずいぶんと走り回った。都市部以外はどこも走りやすい道なので遠距離も楽しい(その話を紀行文として書いたら某作家にエモいと言われて最悪な気分になった)。でも東京に引っ越してきて、車を使う機会がなくなり、駐車場代も安くないので困っていた。愛車だけど、お金はなくなるばかり。そろそろ保険の更新だし車検も切れるので、思い切って誰かほしい人いませんかとインスタのストーリーにあげたら、彼女が気になるとメッセージをくれた。冷やかしか?と疑っていたけど本当に買ってくれた。彼氏が……

この車は元職場のパートさんの旦那の知人(遠すぎる)が、会社で使っていたものを廃車にするというので、とても安く譲ってもらった。でも壊れているところはとくにないし、メンテナンスもしていたし、もらえるものはもらいたいので、自分が払った3倍以上の金額を言ってみたら「いいんすか、もっと払いましょうか?」と返されて必死にいやいやと手を振った。ぼったくり人間にはなりたくない。

そのあと、ナンバープレートを送ってもらいました。

一応ちょっと隠しとく…

何かのチェック跡で油性ペンで文字が書かれていたから、激落くんでこすったらちゃんと消えた。表面すこし傷つくけど問題ない。試してみてください。

車を買おうということになったとき、ナンバーを何にしようか考えに考えたあげく、新しいナンバーを見たらなんか気に入っちゃって、そのまま変えずにかわいがっていた。すばらしい思い出がよみがえって嬉しい。

ストーリーきっかけで売れるとか現代的だ。
好きだった人の彼氏ありがとう。

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