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春の日差しの切迫感

東京に引っ越してから4ヶ月が経ち、桜が咲いて、風はだいぶやわらかくなった。日差しも強く、たびたび頬を火照らしながら、何か大事なことを忘れているような気がした。とくに家の外に出ているとき、鍵の閉め忘れでもないし、洗濯物のことでもない、もっと広範囲にわたってヤバくなってしまう原因の何かだった。太陽が出てきて暑くなっても、自分の服の着脱以上に別の対象を気にしている。なんだか変だった。

ところで自分、半年前くらいに農業の仕事を辞めたんですが。

よくよく考えたら完全にそれだった。野菜を育てるとき、播種をしたあとの温度管理にはかなりの注意が必要で、温度調整のできる機械の中に入れていても、日差しを受けてさらに温度が上がる。鉢上げ後もビニールハウスを開けたり閉めたりしないといけないので、すこしでも温度変化を感じとったらハウスからハウスへ走り回っていた。一定以上温度が上がったら苗がだめになるし、全員の給料なくなるから(そんなことにはならなかったけど)。それの名残り。肌が切迫感を覚えてんだな。もう忘れてほしい。

ちなみに北海道はぜんぜん桜が咲いてないので(5月〜6月くらいに咲く)、そういう意味で東京は天国だと思う。

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