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こいつ名誉棄損とかで訴えられないのか?ゴミ解説を徹底的に論破する

少し前に投稿した記事で、「ベーシックインカムちゃんねる」の意味不明なVTuber解説動画を、ボロクソに批判した。

それからしばらく動画が挙げられていなかったので、「ワンチャンこの記事を読んで反省したのか?」と思っていたのだが、つい最近もっとひどい解説動画が公開された。

それが、この動画だ。

先に言っておくが、この動画を見る必要は全くない。

価値のない動画を見て時間を無駄にする人が少しでも減るよう、私が犠牲になろう。


単なる感想

思わず出てきたひろゆき

「それってあなたの感想ですよね?なんかデータとかあるんすか?」

2時間近い解説を聞いている間、私の中のひろゆきがずっとこの言葉を発していた。

前回の動画は、まだ文献の引用などがあったのでマシだったが、この動画はそうした引用やデータの提示が全くない。そのため、内容が正しいか間違っているか以前に、理論として完全に破綻している。

VTuberを1ミリも理解していないおじさん

とりあえず、頑張って動画の内容を箇条書きにしてみたので、まずはそれを読んでほしい。

  1. 人気のある女性VTuberは、全員何かしらの欠点を持っている。

  2. VTuberのファンである弱者男性は、そうした欠点があるおかげで、「俺でもワンチャンある(付き合える)のでは?」と錯覚する。

  3. 女性VTuberや「ホロライブ」などの企業は、弱者男性から金をむしり取るために、彼らにとって都合の良い世界を演出する(男性とコラボしない、「私も陰キャだった」と言う、など)。

  4. お前らVTuberなんか見てんじゃねぇ!これ以上搾取されねぇために、一刻も早く現実の女性と恋愛しろ!

といった感じ。

このよくわからない理屈を、2時間かけてダラダラと解説している。

主張は理解できなかったが、この人がVTuberのことを何も知らない、ということはわかった。

さらに、要所要所に出てくる例えが、麻雀、パチンコ、プロレス、野球なので、投稿者が「おじさん」であることもわかった。

頭が悪く、新しいものが理解できないおじさんが、貧しい知識を総動員して、精いっぱい自分のテリトリーを守ろうとしている。そう考えながら見ると、ものすごく悲しい気分になった。

なぜこんなクソ動画が投稿されたのか?

結論ありきの組み立て

理屈が破綻しすぎていて、どこから反論すれば良いかわからないので、思い切ってこいつの思考回路を分析してみようと思う。

まず、こいつは結論ありきで動画を作っている。

その結論は、

「現実の恋愛が一番大事。VTuberはその代替品でしかなく、価値がない。」

というものだ。

チ〇コに脳を移植しているのか、こいつはVTuberを「恋愛対象」としか見ていない。さらに、モデルの見た目やキャラクターではなく、それを演じている女性、いわゆる「中の人」についての議論しか行っていない。

おそらくこいつは、「二次元のキャラクターに恋をしている」という人の存在を、絶対に受け入れたくないのだろう。

だから、VTuberのファンに対して、「お前らは現実の恋愛がうまくいかないから、VTuberなんか見てるんだ」という、とんでもない偏見を押し付けている。

さらに、こいつはVTuberのことを嫌っている。その理由は、「VTuberが流行っている理由が理解できないから」である。

「自分が理解できないVTuberというコンテンツが、世の中で広く受け入れられている。」

この事実を認めたくないために、「今VTuberのファンになっている人は、全員騙されている」という理屈を展開することで、自分を納得させようとしているのだ。

理解できないもの=悪いもの

これらはいわゆる、「現状維持バイアス」、もしくは「すっぱいブドウ」である。

ブドウの木を見つけた狐が、そのブドウに手が届かないことがわかると、「別にいいや。どうせこのブドウは酸っぱいだろうから。」と言って、自分を落ち着かせる。

つまり、「自分の知らないもの(新しいもの)は、悪いものである」と考えることによって、「自分は無知な人間である」という事実から、目を背けようとしているのである。

「二次元の女性に恋?どうせ現実が上手くいかないからそんなことやってんだろ。」
「VTuber?よく知らないけど、大したものじゃないでしょ。え、今流行ってるって?みんな騙されてるだけだよ。」

さらに、『なぜ女性VTuberが人気なのか?ガチ恋弱者男性ウケを狙うインターネットおもしろ女の仕組みを解説』という動画を投稿することによって、あたかも「自分は、みんなが気づいていないVTuberの本質について理解しているんだぞ」という態度をとっている。

これは、あらゆる出来事をディープステートのせいにする陰謀論者と同じである。

「自分は物事をよく知っている」と思う人ほど、「あらゆる出来事は、様々な原因が積み重なって起こっている」という事実を理解できない。そのため、単一の原因で全てを説明し、「私は全てを理解している」といった態度をとるのだ。

弱い犬はよく吠えるし、馬鹿なやつほど自分を賢く見せようとする。

無駄が多い構成

無意味に挿入される悪口

こいつは、VTuberとそのファンを見下している。

それは構わないのだが、こいつはそれに適当な理屈をつけて、「VTuberとそのファンは劣っている」という個人の意見を、事実であるかのように見せかけているのだ。

例えば、こいつはVTuberを

「キャラクターのガワを被って自分自身が美少女かのようにふるまう痛々しくて残念な女性」

であると説明している。

基本的なことだが、解説動画という体裁をとっているなら、「痛々しくて残念」といった、主観的な言葉を使うべきではない。

「VTuberは、架空のキャラクターを演じるので、現実の見た目に関係なく、理論上は誰でも美少女になることができる」

といったような、ある程度事実に基づく説明を行うのが適切だろう。

しかし、こいつはVTuberに対する憎悪が抑えられないあまり、このような無駄な言葉を付け足している。

「弱者男性」と言いたいだけ

さらにこの動画には、「弱者男性」という言葉が100回ぐらい登場するのだが、驚くことに、弱者男性の定義についての説明は一切ない。

動画の内容を見た感じだと、「VTuberファンの多数である、現実の恋愛がうまくいっていない人」が弱者男性だと考えられるが、本当にそうした人が多数派なのかということについては、データが示されていない。

直感としては、恋愛感情とはあまり関係なく、「面白いから見ている」「カワイイから応援している」みたいな、軽い気持ちで見ている人が多数派な気がするので、「VTuberのファンはほとんどガチ恋勢!」という主張をしたいのであれば、何かしらのデータを示すべきだろう。

はっきり言うと、こいつは自分の主張を正当化するために、ありもしない事実を述べている。そして、自分の主張は正しいと固く信じているので、ファクトチェックを全く行っていない。

それが結果的に、「VTuberのファンはほとんどガチ恋勢」という、誤った事実の主張につながったのだろう。

少し話が逸れてしまったが、「痛々しくて残念」や「弱者」のような悪口を使いたい気持ちが先行してしまったせいで、解説動画としての質が著しく低下しているのではないか、というのが私の率直な感想である。

例えを使った結果、話が分かりづらくなる

それだけでなく、こいつは自分の説明を補強するために、多くの例えを使う。最初に言った、麻雀やパチンコなどだ。

しかし、この例えがことごとくハマっていない。

そのせいで、

「VTuberの下ネタ発言は、ソシャゲのガチャで言うところのSSR」
「欠点のある女性VTuberを好きになるのは、子孫を残すためより多くの女性とセックスしたいという、男性の生存本能によるもの」

みたいな、ほとんどギャグみたいな結論が導かれている。

貧弱な知識を元に例え話をしてしまったせいで、かえって無知が露呈するという、非常に恥ずかしい現象が起こっている。

話を分かりやすくするためではなく、「自分はこんな新しいこと、難しいことを知っているんだぞ!」ということを示すためだけに、例え話を出すのはとても愚かな行為なので、これ以上恥をさらす前にやめることを推奨する。

物事に対する解像度の低さ

知識の無さが露呈している発言

これは全体を通して言えることなのだが、あらゆる物事に対する解像度が低すぎる。全てのことにおいて、4ピクセルぐらいの解像度しかない。

それが顕著に表れている発言をいくつか紹介しよう。

先にも触れたが、「キャラクターのガワを被って自分自身が美少女かのようにふるまう痛々しくて残念な女性」という発言。

→単なる偏見でしかなく、ネットで「VTuber つまらない」で検索したら出てきそうな説明である。

「ソシャゲは単なるデータに過ぎないとわかっているが、それでも課金してしまう」という発言。

→そんな冷めた見方をしている人は、ガチャに課金なんかしない。余談だが、数年前にひろゆきが「ソシャゲは単なるデータにすぎないのに、それに課金している人はアホ」という言っていた気がする。

「VTuberビジネスは、女性の弱者性と男性の弱者性という、互いの”現実”に目をつむるやさしい世界である」という発言。

→お前らがやっていることは、しょせん傷のなめ合いだ、と言いたいのだろうが、暇つぶしや癒しは、どんな人にとっても必要なものだ。

この理屈だと、ペットを飼うことや、遊園地に行くことなども、行うべきではない愚かな行為となってしまう。こうした行為が愚かでないというなら、日々の楽しみとしてVTuberを見るのも何ら愚かな行為ではないだろう。

「人気のある女性VTuberは、全員何かしらの欠点を持っている」という発言。

→これは、こいつにとって重要な事実だそうだが、こんなことを言っている人は他に見たことがない。そもそも、これは明らかな職業差別であり、YouTubeのような公の場で言うべきことではない。

「かつてのインターネットは、女性の話をまともに聴く(原文ママ)人が少なかった。しかし現在では、インターネット女の適当な話(雑談配信)を、男たちが心の支えにしている。」

→「まともに聴く」という言葉が、何を意味しているのかがわからない。別に昔のインターネットでも、女性の配信を心の支えにしていた人はいただろうし、今のインターネットでも、女性より男性が話していることを信用する人はいるだろう。

「適当な話」という、またしても余計な偏見が挿入されているが、インターネットがしょうもない話をする場所であるという認識は、昔の方が顕著だったのではないだろうか。

おそらく、「インターネット利用者の知識レベルが下がった」的なことを言いたいのだろうが、論理として成り立っていないので、「昔は良かった」というおじさんの愚痴にしか聞こえない。

「VTuberのファンは、”劣った職業”についている欠点のある人を心配することによって、自分自身の深刻な問題から目を背けている」という発言。

→職業差別は、さっきも言ったので置いておくとして、そうした人たちは自分の問題から目を逸らすために、VTuberを見ているわけではない。

配信が無かったり、テンションが低かったりすると過剰に心配する、いわゆる「杞憂民」と呼ばれる人たちは、本気でVTuberのことが(自分の問題より)気になっているのだと思うし、多くの人は友達の愚痴を聞く感覚で、VTuberの話を聞いているのだと思う。

最後にもう一つ、「所属のタレントに厳格な処分を下した企業を応援し続ける人は、あまりにも自我が無さ過ぎる」という発言。

→これは、ホロライブが所属タレントの「潤羽るしあ」を契約解除した際、チャンネルに挙がっていた動画を全て削除したことを踏まえての発言である。

ふつうに考えて、大半の視聴者は「可愛くて面白いから」VTuberを見ているのであり、特に潤羽るしあのファンで無かった人にとっては、単なる不幸な事故ぐらいにしか捉えていないだろう。

「”マナーの良い消費者”として、企業側のほうを盲信しがちな自我のない人たちの群れ」みたいな言い換えもしているが、VTuberを見ている人全員が、企業側につくかVTuber側につくかいつも考えている、とでも思っているのだろうか。

「ベーシックインカムちゃんねる」と名乗っているくせに、古典的な経済理論で物事を考えているというのは、とんだお笑いである。

その気になれば、10秒ごとに動画を止めて、問題点を説明することもできそうだが、長くなるのでここまでにしておく。

最後に

無知を認めろ、誤解を広めるな

さて、散々長いこと批判をしてきたが、私が言いたいことは、「よく知らないなら偉そうに話すな」ということである。

年をとって、ついていけなくなることがあれば、素直にそれを認める。しょうもない動画を投稿する前に、きちんと勉強する。

金儲けのためにやっているのか知らないが、バカを騙して再生数を稼ぎたいなら、頼むから俺に見えないところでやってくれ。

まあでも、こういう奴がいるおかげで、無知な人間がスッキリして、アンチコメントが一件でも減るのであれば、感謝するべきなのかもしれない。

とはいえ、こいつの議論は破綻しすぎているので、VTuberへの誤解がこれ以上広まらないよう、次はディープステートやQアノンの解説が投稿されることを願う。

ちなみに、コメント欄も同じぐらいVTuber界隈への憎悪に満ちているので、怖いもの見たさで、覗いてみるのも面白いかもしれない。

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