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ただ、聴くだけ・・・

私は今年から新しいことをいくつか始めました。理由は前回書いた家族を亡くしたことがきっかけ。父はそれほど手厚い介護を必要とするほど悪くはなかったのですが、万が一のためになるべく外へ出ないようにしていたのです。


しかし、介護から解放されたことによって自由な時間が増えました。それで、数年前から考えていたことを実現に移そうと考えたわけです。


そしてそのひとつが大学の聴講生になるというものです。じつは私は大学に通った経験がありません。若い頃は嫌いだった勉強を、今更ながらしてみたい——


幸い、私が住んでいる近くには名前の知れた私立の総合大学があります。そこの公式サイトを検索すると、すぐに募集のページが出てきました。高卒と同等の資格があれば、年齢に関係なく応募できるということでした。


しかも検定料が学部単位で7,000円、一学期間の授業料は一授業あたり18,000円と格安です。入学試験も面接もなく、これだけで正規学生に混じって授業を受けられ、さらに大学の施設も利用できるというのです。


では、さっそく応募しようと思ったのですが、しかしそこはさすがに高等教育機関! 聴講するだけとはいっても、かんたんに通わせてくれるわけではありません。


まず、授業を選択できるのはシラバス公開直日から6日以内。この期間内に検定料を支払い、締切日必着で応募してしまわなればならないのです。しかも願書には学歴や職歴、さらには志望動機などを漏れなく記すことが求められます。


そうやってきちっと申し込んでも100%許可が下りるとは限らない、というのです。このへんは、お金さえ振り込めば誰でも受け入れてくれる語学学校とはまったく違うと思いました。


(ただ、この件に関してとある元大学教授に伺ったところ、よほどのことがない限り落とされることはないと聞きました。どうも本気で学ぶ気がないひとには来てほしくないため、ハードルを上げているようなのです)


実際、時間をかけて申請用紙を書き上げ、それ以外にも証明写真や最終学歴の卒業証明書などをしっかりとそろえて応募した私は落とされることはなく、この4月から通い始めることができました。


まるで植物園を思わせるような美しいキャンパスや、専門書のみならずアニメ雑誌やゲーム雑誌までが置かれている大学図書館が、正規の学生とほとんど同じ条件で利用できることに興奮しました。


ちなみに施設だけではなくネット環境も利用可です。学内Wi-Fや専用メルアド、LMS(学習管理システム)や大学関係者専用ポータルサイト、Microsoft 365までもが無料で利用できるとあって、充実しているの一言に尽きます。


もちろん、何もかも正規学生と同じというわけではありません。成績評価はしてもらえるものの単位はもらえないし、通学定期券も発行してもらえません。とうぜんそれ以外の学生割引も(まだ試してはいませんが)無理ではないかと思います。


しかし「人生、死ぬまで勉強だ! とはいえ、カルチャースクールだと物足りないし、かといって社会人入学するほどの気骨もないし——」という方には、いい選択ではないかと思います。

#聴講生 #生涯学習 #新しいことを始める

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