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『アーティストが愛した猫』を読んで

芸術家の相棒と言えば猫ですよね。

絵筆かもしれませんし、キャンバスかもしれませんが。

孤独を愛する芸術家にとって、猫は相性が良いのかもしれませんね。

彼らは自由気儘に誰にも束縛されることなく生きることを望んでいますからね。

そんな訳で今回は『アーティストが愛した猫』の書評を書いていきます。

この本は確か、紀伊国屋書店で猫のブックフェア的なのがあったときにたまたま買った本だったはずです。

普段は吟味してからしか本を買わないので、珍しく衝動買いした一冊です。

本書は約50人にのぼる芸術家の猫にまつわるエピソードと写真をまとめたもので、エピソードは一人当たり1ページの半分ほどの分量しかないので非常に気楽に読めます。

ピカソ、ダリ、藤田嗣治など歴史に名を遺す最高峰の芸術家達が猫を抱きかかえている素敵な写真を堪能できちゃいます。

やっぱり猫なんですよね。

この写真の一枚一枚が猫ではなく犬やウサギだとどうもしっくりこないはずです。

分かるかな、この気持ち。

自分自身が大の愛猫家だという大きな大きなバイアスを考慮しても、やっぱり芸術家の隣に猫がいる姿はあまりにも様になるんですよね。

猫の姿はありのままで美しくて、極めて動物的、野性的な本質をもふもふの毛皮で包み隠しているわけです。

たまらないですね。

そんな神秘性と生き物らしさが同居した不可思議さに魅かれてしまうんですよね。

人間のように衣服を身に纏って、化粧を施して、気品ある立ち振る舞いを身に付けたところで、猫のありのままの美しさに敵わない。

羨望と嫉妬が入り混じった感情が芽生えてきます。

芸術家の感性を刺激し、至上の表現を実現させてくれるよきパートナーは、やっぱり猫なんでしょう、うん。

きっと本書は、単に猫や芸術家に興味がある人以外が手に取っても、芸術家の気難しくてとっつきづらい印象を払拭してくれる内容になっていると思います。

腰を据えて読むようなタイプではなく気楽に読めるので、普段は本なんて読まないけどたまには読もうかなと思っている人におすすめの一冊です。

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