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ウォルター・アイザックソン著 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』を読んで

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ブログに書きたいことは色々あるものの、書き方だったりプラットフォームだったり迷うことが多かった。
出来もしないのに完璧主義なところが表に出て来て一歩を踏み出せないことはよくあるものですね。
まぁ気楽に書いていこうかなと思ってます。
記事として残すことで知識の整理にもなるし、誰かの役に立つかも知れないし。
ダ・ヴィンチの残した膨大なノートも多くの芸術家や科学者にインスピレーションを与えていますしね。

そんなわけで初回はウォルター・アイザックソンが著したレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記の書評的な内容です。

アイザックソンはスティーブ・ジョブズの伝記で知られる作家ですね。
スティーブ・ジョブスの方も読んだけど、アイザックソンの伝記はとにかく情報量が凄い。
ジョブズの伝記はジョブズ本人や友人、仕事仲間等に徹底的な取材を行なって書かれていて、Apple時代やウォズニアックとのエピソードなどよく知られているもの以外にも、実の家族とのエピソードや幼少期の話などが詳細に書かれている。
今回書評するレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記も同様に、遺された全ノートを読み解いて書いたそうで。
7200枚全部読んだだけで物凄い努力量だけど、それをこうやって一冊の本として仕上げるって、著者のアイザックソンもなかなかに超人的な人物ですね。
そんな彼だからこそ天才の人生に惹かれて素晴らしい伝記を生み出し続けられるんでしょうね。

彼は本書の序章でレオナルド(美術好きは大抵そう呼ぶ)を「私が伝記作家として一貫して追い求めてきたテーマを、彼ほど体現する人物はいない」と書いている。
アイザックソンは創造性に溢れた天才が好きなようですね。
かくいう私もそんな天才が好きで、普段は美術書くらいしか読まず、小説すら読まない人間なのに本書はすらすら読めた。

異なる領域を結びつける能力こそが非凡な閃きの鍵となると本書には書かれているが、全く持ってその通りだと思う。
天才と呼ばれる人物は数多いるものの、複数の領域で才能を示している天才は珍しい。
ルネサンス時代のレオン・バティスタ・アルベルティやミケランジェロ、ラファエロは万能人としてよく名前が挙げられる。
ゲーテやライプニッツ、デカルト、ルソーなども複数の領域で実績を残している万能の人だ。
万能の天才はアインシュタインのような一点突破型の天才とはまた違った魅力がある。
そしてその万能の天才の代表格がレオナルドなわけですね。
彼らは皆、ただの知識自慢ではなく、複数領域のスペシャリストであり、新しい領域を開拓した天才でもありました。
万能の天才と呼ばれる人達もまた別途取り上げたいとこです。

さて、ここまで随分書きましたが、まだ本書の序章の1ページ分に触れたのみです。

noteって何文字書けるのかな。

まぁ敢えて完璧を目指さずにマイペースに書いていくことで続けやすくなるだろうから、このくらい横道に逸れながらで良いのかも。
続けられそうなら読みやすさとか考えてリライト記事書いてもいいかも知れないし。

そんなこんなで本筋に話を戻していきますが、本書では画家としてのレオナルドというよりは、レオナルドという人間がどう生きたかを資料を元に詳細に書き表しています。
画家としての功績にも勿論触れてはいるけれど、むしろそれ以外の活動や交友関係、レオナルド自身の生活にフォーカスされている。
代表的な実績を掘り下げるだけでなく、周辺情報や第三者の情報もふんだんに盛り込むことでより鮮明に主人公の人物像を浮かび上がらせることに成功していると思う。
ワンピースで過去編が冗長だと言われたりするけど、実際その話のおかげでより入り込めるあの感じと似てる。

また話が逸れた。

レオナルドの客観的な記録として多く残っているのは容姿端麗さ、気品のある振る舞い、そしてその優れた知性について。
まるで漫画の主人公のようなハイスペックっぷりですね。
ただレオナルドの完璧なイメージとは裏腹に、短所も多く挙げられている。
万能人として知られるレオナルドではあるが、実際には代数学やラテン語を苦手としていて、学ぶ意志はあったようだが習得出来なかったようだ。
作品の納期には間に合わせられず、未完のまま終わった作品も多い。
1480年頃のノートには、「いまだかつて完成した作品などあるのなら、教えてくれ」と書き残している。
自身が優れた画家であるという自負はあったと思われるが、成し遂げたものの少なさに苦悩していたようだ。

レオナルドの人生はイメージほど華やかなものではなく、時勢を見極め、パトロンを変え職を変え、自身の知的探究のために生きた激動の人生だった。
レオナルドほどの才覚があれば、それを活かして大金を手にすることも容易かったはず。
それよりも自身の純粋な興味関心に導かれるような生き方は、ある意味人間らしいのかも知れない。

憧れるな〜。
芸術に限らず、才能を活かして束縛を限りなく受けずに生きられている人に憧れる。
勿論楽な生き方では無いだろうけど。

ここまで書評らしいことは全然書いてない気もするけど、まぁただの内容の紹介ならググれば山ほど出てくるだろうし。
そんなこと言ったら元も子もない気もするけど。

長くなったのでまとめとして、本書はレオナルド・ダ・ヴィンチを知るにはこの上ない良書だと思います。
純粋に読み物としても面白い。
資料としても十二分な情報量がある。
美術好きなら読んでおいて損はないですね。
他にもレオナルド関連の書籍は数冊所有しているけど、今回本書で新たに知れたことが多かった。
特に画家としての功績以外に、ざっくりと物理学や解剖学でも発見をしているとは知っていたけど、摩擦や動脈硬化について最初に発見していたのは知らなかった。
レオナルドが発見した内容を論文としてまとめて世に出していたら、現在の教科書で何度レオナルドの名を目にしていたのだろう。
知れば知るほど魅力的に感じる人物ですね、本当に。

書評というよりはこの一冊を中心にレオナルドについて語るような内容だったかな。
これを機に気楽に色々と書いていこう。
では初回はこの辺で。

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