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映画の予告編を、みたいんじゃ

年末、役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」をみた。

ドイツのヴィム・ヴェンダース監督が東京のトイレ清掃員・平山の日常を徹底的に描くという平凡な映画だが、ルーティンの中にある人生の機微が描かれていて、個人的にはとってもよかった。

んだけれど、映画上映前が、とってもImperfect(不完全)だった。
上映時間になっても、映画とは全く関係ない不動産メーカーや高級時計ブランド、スポーツチームなどのPR広告合戦。たぶん10企業以上あったと思う。
広告業界では「シネアド」などと呼ばれているこの企業CM枠は、まあたしかにTVCMなどと比べてもチャンネルがない分、半強制的に企業広告を”見せつける”ことはできるので、一定の認知向上などは期待できるのだろう。

でも。正直、完全に興ざめだった。
特にPERFECT DAYSみたいな静かな気持ちで入りたい映画を見る前は、そーゆー気持ちでチケットを買って、映画館に来ているので、映画館に座ったときに連続して上映される「場違いな」企業CMには心底イラっとした。というか、目を瞑った。

もちろん企業側からスポンサー料は入っていてそれによる収入のおかげで映画館が成り立っているといった側面もあるのだろうけれど、ひと昔前みたいに、映画前はジャンルごちゃまぜな予告編を上映して、思わぬところから「次、あれみたいね」って映画を探り出すような時間がいい。

万が一、企業CMを流すのなら、映画館で流しても引けを取らないクオリティのストーリーのものにするとか、もしくは上映後の時間に勝手に流しておくとか、映画館のトイレの枠で流すとか、それくらいのポジション取りをしてほしい。YouTubeだって、広告が嫌だからと有料会員になる人がたくさんいる時代だ。1回で2000円払って映画館に来ているのだから、広告側も、というか映画業界全体でもうちょっと、配慮がほしい。

このままじゃ、追加で300円とか払って広告なし映画館、とかできそうで怖い。

とまあ、広告の悪口みたいになったのだけれど、自分はもともと広告が大好きで、ずっと広告の仕事に夢見ていた人間だ。
本当に素敵な広告は、ちゃんと心が動くし、結果その企業のブランドイメージ向上にもつながる。
結局は広告の質、の問題なのかもなあ、、と思いつつ、本当は
perfectなDaysの話をしたかったなという不完全燃焼なお話でした。

2.PERFECT DAYS
平山さんみたいに毎日、顔を上げてニコっとしたい。


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