「試合で何をすれば良いか分からない」のは、自分の力量が分かっていないから。│ジョン・ロックの『人間知性論』を卓球にフル活用しよう!②
第一巻 生得思念について
第一章 序論
およそ私たちは、自分自身の力量を知るとき、なにを企てれば成功の希望があるかをいっそうよく知るだろう。で、自分自身の心の力能をよく調べて、この力能から期待できるものをある程度まで見積ってしまえば、私たちはなにも知らないと絶望して、じっと坐りこんですこしも思惟を働かさないようになることも、また他方、理解されるはずのない事物があるからといって、すべての事物を疑い、いっさいの知識を否認するというようになることも、どちらもないだろう。
「試合で何をすればいいのか分からない…」
と言う人は大抵、自分の力量が分かっていません。
こういう人に、
「あなたの弱点はなんですか?」
と聞くと、
「全部です!」
と返ってきます。
そんな訳ありません。
おそらく、
「強いあの人と比べたら、私は全ての技術が劣っている…」
というようなイメージで、
「全部です!」
と答えているんだと思います。
しかし、僕が問うているのはそういうことではなく、
「自分の内部の比較」
です。
「自分のフォアハンド」と「自分のバックハンド」は、どちらが得意でどちらが苦手なのか。
この比較ができていれば、試合での戦い方が絞れるはずです。
「自分は下回転打ちが苦手」
ということが分かっていれば、
「相手にツッツキをさせない」
と、戦い方を絞れるはずです。
例えば、ジャンケンは選択肢が3つです。
なので、どれを出せば勝てるのかは分からなくても、
「よし、グーを出そう!」
と、とりあえず決断することはできます。
これがもし、
「好きな形の手をなんでも自由に出せます!」
というルールだったら、選択肢が無数にあるので、決断が難しくなります。
同様に、
「全部です!」
と答えた人は、選択肢が全く絞れていない状態にあります。
だから、試合で何をすればいいのかが分からなくなるのです。
なので、
「試合で何をすればいいのか分からない…」
と言う人は、自分の力量を把握して、選択肢を絞るようにしてください。
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