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[SS]居場所

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2022年12月の記事一覧

昼食にざる蕎麦を食べました。食事は僕も作りますが、手打ちのそばはメニューにありませんでした。妻が習い事をしているのは気づいていましたけど、その日にそば粉の話を聞きました。妻はアレルギーがあるので口に入れる食べ物に神経を尖らせます。自然食品にとても関心があります。僕も学びたいです。

犬の名前をコロにした。僕は子供の頃TVで警察犬が人命救助をする姿を見て、身体が弱かった僕はとても惹きつけられた記憶がある。犬と人間の信頼を僕も得たいと思う。庭に簡易シャワーを作り、泥遊び出来る場所や犬小屋をこしらえた。妻は友人に誘われて習い事を始めた、僕はコロと童心に戻りました。

で、何するか決めたの?僕はうーんと曖昧な返事。妻は楽しくワインを飲む、僕は妻を横目にあまり腹を決めたくなく、ワイルドバンチ誰が来るの?と話題を変えた。マカロニえんぴつも来るらしいよ、えーそうなのいきたいな?昨年はコロナで中止だった今年は遊びたい。妻がこっちを睨んでいるのに気づく。

引っ越し祝いも兼ねていた、妻もお客さんになってくれて嬉しかった。カウンター席に7、8人が座ってマスターおすすめのお酒を楽しんだ。僕もマスターは初めての経験で女性にはカクテル、男性にはウイスキーやワインをご馳走した。夢が叶い気持ちが高ぶり興奮した、僕もビールを飲んで酔ってしまった。

妻がゆっくりしていってと言い、僕が妻にどうなったと聞くと、水圧いい感じになったわよと呟く。僕は友人にコーヒーを淹れて何か遊びたい事はある?と言うと、美味しいお酒が飲みたい、僕は友人を集めてBARを数日間開いてみることにした。簡単なカウンターと雰囲気のある照明をみんなで用意したよ。

ゆうきとは小学3年のケツに押しピン以来、中学3年まで同じ地元で過ごし、高校も宇部という場所で3年間学んだ。電車ですれ違っても僕は彼に無関心を続け、大人になってからも中学の同窓会に参加していない。今でも押しピンは昨日の事の様に覚えていて、心の中では謝罪を求めている。許す事はない。

ゆうきは中学2年生の時、小郡中学校の生徒とケンカして暴力事件を起こした。僕はその事件にノータッチで無関心だった。幻聴がそれに関係する事を言っていた記憶はある。ゆうきはサッカー部に所属していたが練習に行くのが嫌になっていた。高校は宇部中央に進学、こちらから声を掛けることは無かった。

学校で何か言われるかと思ったけどなんの反応もなく、2人の男が話しかけてくる事はなかった。僕から2人に歩み寄る事は一切なかった。今でも恨んでいる。たもんは県外に引っ越して、ゆうきからは中学に入ってもからかわれ続けた。体操ズボンを降ろされるなど、僕はまた始まったと思い適当に対応した。

犬はブーメランを口にくわえようとして何度も失敗した。僕は紫のプラ板いいなと思って参考にした。昨日、雑誌を見ていてドッグランが容易に作れるみたいだったのでうちの犬の為に作ろうと思った。後、名前を決めていない事に気づく。友人が午後にシャワーの水圧の調整に行くからと話した。ありがとう。

僕は翌日の朝も大丈夫だった、強かったです。身体に何か異常が起きるかと思ったけど何も起きなかった。でも、朝ベッドから目覚めて起き上がるときに心が死んでいた。感情が何もなかった。でも平気だった。もう心が殺されるのに慣れっこでした。幻聴に何も感じなくなるまで文句を言われ続けていたから。

僕はサッカーの練習を普通にして帰った。親に相談する事もなかった、でも記憶の中にしっかりと刻まれた。たもんとゆうき、2人の名前はこれから何十年経って50歳になっても昨日の事の様に思い出された。恨み憎んだけど、僕が何も言わなくてもケツに押しピンの代償は必ず払ったはずだよ。痛めつける。

小学3年生、サッカー少年団の練習前、僕は2人の男に連れられて空き家の裏にある倉庫にいる。男達は僕を見てニヤニヤ笑いながらズボンを下ろす事を要求してきた。僕は黙ってズボンを下ろした。パンツもと言うと床に四つん這いになれと言った。僕はお尻を突き出すと男達はケツに押しピンを突き刺した。

友人の子供時代に過ごした母屋があって祖母の家、今住んでいる家がある。庭を見ると紺色のシートが敷いてあって外から見えない様に紫のプラ板で囲っている。広さはリビングぐらいあって屋根もついてテラスの様になっている。犬をテラスに離すとボールを追いかけている。僕はブーメランを投げてみたよ。

友人が様子を見にきてくれた。でも本当はシェパード犬に会いたかった。友人の話では写真で見る、ほんわかした知的さに浸りたかった。僕は庭で犬とワイワイ騒げる様にしたいと話すと自宅の庭を見せてくれた、いい感じなので遊びに行くと話した。妻は女友達にシャワーの水圧がイマイチなのと相談したよ。