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「大名行列関連グッズ」のご提案

諸藩の出費がかさんだ参勤交代。
いや、自ら「かさませた」が正しいか。

ウン十年前に「参勤交代は大名の経済力を削ぐために幕府がやらせた」と学校で習った記憶があるが、今は「大名が幕府への忠誠心を示すため、財政は苦しくても見栄を張って行列を整えた」という見方なんですね。知識も定期的に入れ替えねばならぬと痛感。参勤交代だけに。

先日、1泊2日で金沢に行った。
実は書かねばならぬものがあって、ゆっくり過ごす余裕が無かった(いや、「事前に終わらせられなかった」が正しいか)。
金沢へ行くのは初めてではない。
今回は最低限の目的と、うまい酒と魚にありつければ十分である、と自分に言い聞かせて、いざ金沢へ。

ホテルで過ごせる時間は缶詰状態だったが、昼と夜とで、寿司、ビール、日本酒、お造り、鯖サンドをしっかりいただいた。最低限の目的も果たせた。
チェックアウトの後もどこかで作業するか…と思ったが、せめて金沢城の散策くらいはしないと、ご先祖様(日本史好き)が、夢で「金沢に行ってまっすぐ帰っただと?」とかなんとか言って怒ってきそうだったし、幼い頃から城郭や博物館に連れて行かれた子どもだったので、騒ぐ血に従って金沢城に向かった。
金沢城を歩きながら、「そういや博物館行ったことないな…」。英才教育の賜物である。
向かった先は、石川県立歴史博物館。
さすがは加賀百万石である。
2,000〜4,000人の規模だったという、前田家の大名行列の展示は圧巻であった。
展示を見ながら「かっけー!」と心の中で何度も叫んだ。

大名行列の余韻に浸りながら、ミュージアムショップへ。
ある額に目が行った。

「加賀藩大名行列図屏風」

えっ…これ売ってんの?でもお高いんでしょう?いちまんえんとかするんでしょう?!再び血が騒ぐ。早口のオタクも騒ぐ。

「300円」

安すぎんか?

「えっと…300円です」

受付のお姉さんに「本当に300円でいいんですか?!なにかの間違いじゃないんですか?!こんなかっこよくて、大きいのに?!」と、言いかけてやめた。早口のオタクと、騒ぐ血を落ち着かせて支払いを済ませた。
広げると縦46センチ、横65センチ。
畳むとB5ほどのサイズになる、携帯に便利な大名行列である。

加賀藩の参勤交代のルートは、今の北陸新幹線とほぼ同じらしい。
当時は片道2週間かかっていたが、2時間半で行けるようになった。
今回は小松から羽田まで一っ飛びで帰った。1時間15分だった。

家に帰って、改めて加賀藩の大名行列を見られるなんて、なんて贅沢。
しかも300円。
描いた人はさぞ根気がいっただろうと思った瞬間、ある考えが浮かんだ。

「ジグソーパズルにしたら売れるのでは?」

それがし、ミュージアムグッズの企画担当でもなんでもない。大名行列を観察しながら、ジグソーパズルがやりたいだけの、ただのオタクでござる。

同じ格好の人が複数いる上に、人や駕籠、馬などが描かれていない部分が激ムズだと思うが、それも含めてぜひやりたい。
だって頑張って完成させた図が、加賀百万石のお殿様の大名行列よ?
一定の需要はあると思う。
いや、「あるに決まっている」が正しいと思いたい。

石川県立歴史博物館のご担当者さま、権利関係とか売上予測とかいろいろあるかと存じますが、ぜひご検討をお願いいたします。


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