知足と向上心

知足とは

ヨガには
「知足」
という教えがあります。

足るを知る
つまり
与えられて環境や今置かれている現状に
満足しなさいという教えです。

僕たちは
気が緩むとついつい
無いものねだりをしてしまいますよね。

「あのモデルさんが着ている服が欲しい」
「あの高級店でディナーを食べたい」
「もっと広くてきれいな家に住みたい」

このような無いものねだりをするときは
自分に与えられた環境や
今置かれている状況が
客観的に観れなくなっている証拠です。

そんなとき
知足というカードを
ポッケから取り出して活用するのです。
そうすると
「寒さをしのげる服があるだけでありがたい」
「毎日安全でおいしいご飯が食べられるだけでありがたい」
「雨風をしのげてゆっくり寝るスペースがあるだけでありがたい」
ということを思い出します。

このように
あれしたい　を
ありがたい　に
変えることが
知足という教えなのです。

　

向上心を失くさないか？

このように
知足の教えを学ぶと
ある疑問が浮かんできます。

それは
与えられた環境や今置かれている現状に満足し過ぎた結果
向上心を失くしてしまわないか？
という疑問です。

夢や希望というのは
向上心であり
今の環境や状況よりも
「より良いもの」を
追求するときに使う言葉です。

そう考えると
知足の教えをフル活用していくと
夢や希望といった向上心が
失われるような気がしませんか？

果たして
知足とは
「向上心は持つべきではない」
という教えなのでしょうか？

向上心には種類がある

僕は
向上心には種類がある
と考えています。

🅰️不平不満をエネルギー源とする利己的な向上心
🅱️満足知足をエネルギー源とする利他的な向上心

知足の教えをフル活用していくと
🅰️の利己的な向上心が無くなり
🅱️の利他的な向上心が増していきます。

つまり
自分の生活圏内の足るを知ることが出来ると
向上心のベクトルは
他者へとむけられるようになるということです。

ですから
知足の教えは
向上心を失くすという教えのではなく
向上心のベクトルが変わる
という教えなのです。

・・・

さて
自分の身の回りを
もう一度見直してみましょう。

寒さをしのげる服があって
お腹いっぱいゴハンが食べられて
屋根のある家で寝られる

そんな有難い環境に居ることを再確認して
一日を丁寧に過ごしていきたいですね。

おわり