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空(くう)とは何か

今日は
空(くう)
という仏教の教えについてのお話です。

仏教の教えの根本にはヨガの教えがあります。
ですから当然仏教にはヨガと通ずる部分がたくさんあり
学ぶべきポイントがたくさんあります。


「空(くう)」とは何か


空(くう)という言葉を簡単に説明すると
「存在は在るが、固定的実体は無い」
という意味になります。

俗世の物事は常に変化し続けています。
目に映る海や山などの自然は
一瞬たりとも同じ映像を見せることはありません。

また
人工的に造られた物質も
常にその価値が変化し続ける相対的なもののため
全くもって同じモノというのは何一つないのです。

このように
目には見えているが
その目に見えているものは
固定的ではなく常に変化し続けていて
そこに実体はないという考えを
「空(くう)」と呼ぶのです。



空(くう)という相対的な世界

小枝で例えます。
ここに小枝が2本あります。

左の小枝は太くて長く
右の小枝は細くて短いです。

左:太くて長い
右:細くて短い

しかし
さらにもう一本
より長く太い枝を加えたらどうなりますか?
今まで「太く長い小枝」だったものが
「中くらいの小枝」に変化したのです。

このように
僕たちが普段目の当たりにしている物事は
この小枝のように
与えられていた属性や肩書を一瞬で変化させます。

あなたの近所の大きな家に住み
高級車に乗っている「お金持ち」のあの人も
ビルゲイツのご近所さんになった瞬間
「貧乏人」に変化します。

ヨガを学び始めたばかりのあなたは
ヨガインストラクターの中に混ざると
「初心者」になりますが
ヨガのヨの字も知らないシニアの施設に行けば
「ヨガに詳しい先生」になります。

僕たちから見れば沖縄は「リゾート地」ですが
沖縄県民からしたら「居住地」に過ぎません。

このように考えていくと
僕たちが生きているこの世界は全て相対的であって
そこに固定的な実体は何もないということです。



悩み事は相対的

そして僕たちの悩み事は
この相対的な変化を正しく理解しないが故に生じることがほとんどです。

先ほどの例えで言うと
貧乏で悩んでいるのでは無く
自分で自分に対して「貧乏」というラベリングをしているから悩むのです。

ヨガ経験が少ないことに悩んでいるのでは無く
自分で自分に対して「ヨガ初心者」というラベリングをしているから悩むのです。

僕たちを苦しめているのは
お金でもなければ知識や経験が少ないからでもありません。
また
あなたが悪いわけでもなく
他の人が悪いわけでもありません。

あなたを苦しめているのは
空(くう)という固定的実体が無いものを
正しく理解していないというところが原因なのです。

ぜひ
日常で息苦しさ感じたときは
ゆっくり深呼吸をして
空(くう)という言葉を思い出してみてくださいね。

おわり

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