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誠に勝手ながらデスキャブ・ベンさまのラジオインタビューをまとめさせていただく #1

突然ですが、Death Cab for Cutie(デス・キャブ・フォー・キューティー)というアメリカ・シアトル出身のバンドがいるんですよ。略してデスキャブ

名前のイカツさに反して、透き通った声でロマンチックな歌を歌いあげるステキなバンドです。聴きやすいんだけど音やリズムにはちょっとヒネりがあって、時には「なんだこのダサかっこいいキメフレーズは!」みたいなのも挟まって、聴けば聴くほどほっとけなくなるんです。

そんなデスキャブですが、ギターボーカルのベンさま、ことベン・ギバード(ことっていうか「ベンさま」なんて呼んでるのはたぶん日本ですなわち世界で私だけなんですが)が、アメリカのPodcastの番組に出演したようです。

こちらで全編 聞けちゃいます↓
You Made It Weird #402 : Ben Gibbard | Nerdist

コメディアン、ピート・ホルムズのナビゲートで、音楽のこと、バンドのこと、結婚のこと、健康のこと…などなど、赤裸々に語る2時間半。ベンさまの話は、ピートの人生や仕事観とも被るところも多々あるみたいで、互いに「わかるわー!」を連発してはどんどん話が広がる深まる、なんともいい雰囲気の対談になっています。

日本ではすっかりキャブさまの話題も少なくなってしまったので、ぜひファンの方には聞いてほしい。そしてキャブさまブーム再燃して日本でライブしてほしい、そのときは前座をやらせてほしい。
…そんな個人的な野望はともかく、2時間半という長尺ポッドキャスト、かつ英語。
どんなに私がお勧めしたところで「忙しくて時間がない…」「英語で聴くの大変…」という方もいらっしゃるでしょう。

わかったよ。
日本語でまとめるよ。

というわけで、忙しい人も英語苦手な人もデスキャブって何って人もとにかくベンさまを味わっていただきたいので、誠に勝手ながらインタビュー内容をまとめます。


お読みになる前に、注意事項です:

・ただのファンが、ただただベンさまへの愛だけで誰にも断りなく勝手にやってます。
・ラジオ音源はネットで無料公開されてるので違法行為にはならないと思うのですが、偉い人から怒られたらすぐに消します。社会的に抹殺されたくない。
・一言一句の書き起こしはさすがにしんどいので、つまみつまみでトピックごとにまとめます。全文くまなく読みたい!という方はしかるべきところに発注してください。
・とか言いながら、一発目からわりかし忠実に書き起こすことになってしまった。長文でごめんなさい。
・日本語として違和感なく読めるものを目指そうと思います。直訳ではなく、かなりの意訳になってますのでご了承ください。
・そこまで英語に自信があるわけではないので、ベンさまが本当にこんなことを言ってるのか信じるも信じないもあなた次第な感じでお願いします。番組を聞いた方で「ここは違うよ」とお気付きの方がいらっしゃいましたら、コメントください。
・繰り返しますが、ベンさまへの愛だけでやってますんで、それだけほんとご理解ください。


#1 ベンさまと音楽との出会い

(0:00〜0:18ぐらいまで)

ー 親に「ギターやりたい」と頼んだら、ピアノを習わされた

ピート:いらっしゃい!(ベンの入場を促すSEが入る)…このSE、日本のレーシングゲームの発車合図の「ピッ、ピッ、ピッ…ピーン!」的な感じするよね。てなわけで、ベン、どうぞ。

ベン:なんか昨日ドラッグ キメたみたいな気分だわ、キメてないけど(笑)朝起きて、はぁ…って感じの。

ピート:(笑)いや、わかるよ。時間も遅いしね、もちろん楽しみにしてたけど。今日は仕事?

ベン:いや、今朝はランニングしてて。わりとよく長距離を走るんだけど…。

ピート:そうそう、知ってる。今朝、ベンのことを調べててそれで…てか、あなたホンットいいよね! うちの奥さんが大ファンで、ライブについてってそこから曲を聴き始めたんだけど、今まで何してたんだ俺!ってなった。
心の中が、ほんとキレイで、誠実で…圧倒された。

ベン:あら嬉しい。

ピート:ランニングが趣味ってのも、今朝トイレでウィキペディア見てて知ったんだけど(笑)
他にもヴィーガンだったり、2016年に結婚してたり…自分も最近 結婚したから通じるものがあるんだよね。あと離婚もしたでしょ、それも被ってる。

ベン:離婚したの? もう?

ピート:いや離婚は今の人じゃなくて、昔の話ね!(笑)
他にもマラソン走るとか、酒は辞めたとか…いろいろ面白い。
そもそも、この番組は知ってた?

ベン:知ってるよ! 番組のノリも分かってるよ。

ピート:ほんと! よかった!
じゃあ、まずは音楽の話しようか。せっかくだしもうね、さんざん質問されてきたような話は今日はやめよう。

まずベンは、ほんとにたくさんの「詩」を内に秘めてるのがすごいと思う。ベンの詩ってなんかすごく「どこかの、誰かのため」のものって感じがする。その話からしていい?

どうやって詩は書いてるの? 降ってくる系なのか、朝目覚めたら浮かんでる系なのか、夜中に書き上げる系か……って一気にアレコレ聞きすぎだけど(笑)、教えてベン・ギバード!

ベン:(笑) そうだなー、どこから話そうか…まず子供の頃に、ピアノとギターの弾き方を覚えて。
うちの親は「Xを2年やれば、Yをやらせたげる」っていうタイプだった。例えば、子供の頃に駐車場で空手の蹴り合いを見て、空手を習いたいと思って。

ピート:わかる、それ。誰もが通る道だよね。
空手の面白いところって、なんかどっぷり浸かるんだよね。学ぶことが多くて、先輩後輩がいて、躾もそこで備わって…。

ベン:まさにそう。
そういうのを見て、自分も習いたいって親に頼んだら「じゃあバレエを2年やったら、空手を習ってもいい」って。

ピート:なんかドイツ人みたいなこと言うね(笑) 「カラテを習うのも良かろう…」みたいな(笑)

ベン:まぁね(笑) 実際、うちの祖先はドイツ人らしいんだけど。

ピート:マジか。

ベン:そう。その時の親が言うには「空手は体幹と心構えが要で、バレエもそうだから」って。それで当時は「いや、だったらやんないわ…」ってなって。親の言うことは的を射てはいたんだけどね。賢い人だったし、今でもそこは敵わないと思うし。

そのあと音楽に触れだしたら「ギター弾きたい」ってなって、親に頼んだら今度はピアノを何年か…何年だったかは忘れたけど、とにかく年単位でやれ、ってなって。9歳にとっての1年って、今の10年ぐらいの感覚なのに。

でも、今ではそれが良かったと思う。ピアノのおかげで、音楽の基礎が身についたし。

ピート:大人ってほんとピアノ好きだよね。ピアノってやっぱり、音楽の基本が理解できるようになる。

ベン:そう。親もまさにそのことを言ってた。「ピアノをやればコードとかハーモニーの基本がわかるようになる」って。

ピート:ピアノはスケールもスッと入るし、流れで弾けるしね。ギターだと、B、A、C…って一個一個だけど。

ベン:そう。コードも分かるようになったし、親にそう言われたのは良かった。


ー 父親の背中を見て、作曲を始めた

ベン:そこからしばらくして、人の曲を弾くだけじゃなくて自分の曲を作るようになって。

ピート:その衝動って、どこから来るの? 自信というか、曲書いちゃうぞー!っていう衝動。

例えば自分の場合は、母親の愛情をめちゃくちゃ受けたから「自分の曲も書いちゃうもんねー!」っていう自惚れで作曲し始めたんだけど。

ベン:確かにピートの曲ってそんな感じだよね(笑)

僕の場合はハッキリ覚えてるのが、父親が25年くらい海軍に入ってたんだけど、軍人の中でもアーティスト肌な、楽器弾いたりとかもするタイプの人で。

ピート:文武両道的な。映画で形成された「本なんか読むんじゃない!」みたいなイメージのじゃなくてね(笑)

ベン:そう。父親がソファでビートルズもどきを弾いてて、家族も周りで聴いてるみたいな絵が良い思い出として染み付いてて。だから作曲を始めたのも、親が読み古した本を自分も手に取ったような感じ。

ピアノのレッスンにも辟易してきて、「If I Fell」(たぶんビートルズの「恋におちたら」のこと)が好きだから練習してみよーってなって、そしたらコードをいくつか覚えて、じゃあこのコードで自分の曲を作れるはずだ、って。

ピート:なるほどね。なんかそれを聞いて思い出したわ、ベースで初めてパワーコードを知った時のあの感じ。

高校の頃、友達の家で遊んでて、友達が先にパワーコードを習得したのね。その時、俺が「じゃあギターがわかる曲はぜんぶベースでも弾けるじゃん」ってなって、友達は「いやそんな単純じゃないでしょ」って言ったんだけど、実際そうだった。

そういう、ハッとわかる瞬間だよね。コードをいくつか身につけたら、もうできちゃうの。


ー デスキャブは、心のIKEA …by ピート

ベン:よく言ってるんだけど、音楽学校でちゃんと勉強した人が作る曲よりも、まだコード2つしか弾けない人の曲の方が面白いし聴いてみたいんだよね。別に経験豊富な人は創造性で劣るとか、そんなことは決して思ってないんだけど、でもその初期段階だからこその発見が面白くて。

ただ手をこっちからこっちへ動かすだけで曲になって、歌詞をつければもうできるっていう。

ピート:わかる。ギター初心者だからこそ産める面白さってあるよね。

デスキャブの曲もわりと4/4拍子が多くて、もちろんそうじゃないのもあるけど、でもそれがすごく聴きやすいんだよね。脳みそが躓かないというか。実際やってることは複雑なんだとは思うけど、ちゃんと流れる。

ベン:そうだね、僕はあまり複雑な曲を描くのが好きな方じゃないかも。複雑な曲を否定するつもりはないけど、好んで聴くのも歌詞を聴かせる系の曲だし。言葉が先にあって、歌がついてくる感じの。

ピート:そういうの作るのがホンットに上手いよねー。曲も面白いんだけど、聴いてると詩やボーカルが前に出る感じ。

それを何度も何度も聴いてて、そのうち心が無防備な時というか、心が弱ってる時に聴くと、たくさんお皿がしまってある棚があって、急にネジが外れて全部 割れちゃったみたいな気分になるの。わかる?

ベン:ごめん、全然わかんない(笑)

ピート:だよね!(笑)
あのね、まず想像して。棚にお皿がたくさん並んでるの。で、ベンの歌詞が棚のネジを外しちゃって、皿が全部 落ちちゃうの。

ベン:あー、僕の歌詞にはそれくらいの力があるよ、ってことね(笑)

ピート:そう!!

ベン:その例えの、自分の内面の弱さを皿に例える感じは好感が持てると思ったよ。

ピート:そう。俺の心はお皿なの。飾るようなのじゃなくて、普通のお皿。

ベン:IKEAのお皿ね。割れても「まぁまた買えばいいや」ってなるやつ(笑)

ピート:IKEAて(笑) でも実際、生きてるとそんな感じだよね!
デスキャブに心のお皿が割られるけど、お皿を買い直すのもまたデスキャブなの。君らは、心のIKEAなの。


ー 第一弾、以上 ー

面白くないですか? 私だけですか? 私だけですか。
この熱意が冷めなければ&どこからもお咎めがなければ、続きをそのうちまたあげます。いうてもまだ18分ですからね。まだまだありますよ。

再掲。ベンさまの声で全編 聴くならこちらですよ↓

You Made It Weird #402 : Ben Gibbard | Nerdist

あとデスキャブの最新アルバム"Kintsugi"
まだ持ってないファンも多かろうと思うので商品リンク貼っときます。
ファンからしたらもうこのアルバム名だけで心のお皿が割れちゃうよね。


……

……心のお皿が割れちゃう……

割れちゃったお皿を……

金継ぎ………?

いや、ピートがそこまで考えて言ってたはずは……。



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