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仕組みに潤いを与える「無印良品」

無印良品は

感じいい暮らしを実現する

ために、暮らしに関係する商品を幅広く販売しています。

無印良品について、以前マーケティングトレースをした際に、戦略を主にトレースしたわけですが、その戦略を支えていたのがこの仕組みでした。

今回読んだ本は、「感じいい暮らしを実現する」というブランドイメージを浸透させるために、無印良品では仕組みを重視しているという内容でした。

仕組みって使い方次第で、全然効果が変わるな...とすごい思いました。今回も、学びを3つの観点から紹介していきたいと思います!

もしよかったら、こちらのマーケティングトレースの記事も読んでみてください!

■3つの学び

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ーマニュアルはかたいモノではなく、仕事に潤いを与えてくれるモノ

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マニュアルと聞くと、無機質でかたいイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
私自身もこの本を読むまでのそういったイメージを持っていました。

しかし、それはマニュアルというものに目的がないからだったのです。ただいつもの業務をマニュアル化するだけであれば、それは無機質でかたいものになってしまいます。

”その会社が大事にしていること”をはっきりさせるために、マニュアルによって「〇〇らしさ」(ブランドイメージ)を演出する

という大きな目的があれば、マニュアルは仕事に潤いを与えてくれるものに変わるのです。

マニュアルによって、得られる大きな5つのメリット・特徴を紹介します。

①知恵の共有
②標準無くして改善なし
③上司の背中を見て育つ文化とのお別れ
④チームのメンバーの顔の向きを揃える
⑤仕事の本質を見直せる


①知恵を共有することができる

これは、ボトムアップでマニュアルを作る時に、社員の知恵をどんどん吸い上げて、それを全員で共有ができるということです。

それだけでなく、マニュアルとして形に残すことで、時系列的な軸でも知恵を共有しやすくなります。

②標準無くして改善なし

基本の「き」を徹底させることで会社としての基盤が整います。基礎すらできていないのに、色々と改善をしようとしても無駄です。

まずは、基礎を徹底して、標準の業務ができるようになるのが先ですね。「守破離」のように、その後に改善してどんどんよくしていきましょう。


③上司の背中を見て育つ文化とのお別れ

マニュアルを作って業務を標準化してしまえば、部下に教える時間を省くことができます。

優秀な人を雇うより優秀な人を育てる仕組みを作った方が、会社としての骨格は太くなるため、マニュアルによって人材を育てることができると効率的に優秀な人材を輩出できるようになりますね。

また、部下への指導という面だけでなく、役職の業務を標準化することで、役割を果たし易くなります。役割を果たし易くなると、役職についた人が役職にふさわしい考え方や意識が身を身につけ易くなります。

④チームのメンバーの顔の向きを揃えられる

マニュアルは、組織の理念を繰り返し伝えるツールになります。そして、このマニュアルを用いることで、方向性が整い、能動的に動ける仕組みにすると実行力を一流にすることができるのです。

リーダーが率先して使わないと部下は使わないので、まずはリーダーが率先して実行しましょう。

⑤仕事の本質を見直せる

マニュアルを作る段階で普段の仕事を見直すいい機会になります。

その際に、

「本当に必要な仕事なのか?」
「なぜこの仕事をするのか?」

といった疑問を投げかけることで、仕事の本質を見抜く機会にもなります。

ー遠い道にこそ真理がある

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マニュアルに完成はありません。マニュアルは

「作ったところがゴール」ではなく、「作ったところがスタート」

です。

人はすぐに忘れてしまいます。改善してもまたすぐ元に戻ってしまいます。だからこそ、使い続ける必要があります。そのためには、

マニュアル=「仕事の最高到達点」

になるように定期的に改善・更新していくことが大事です。確かにマニュアルを見れば、最高の仕事ができるとわかれば、使いますよね。

定期的にというのは曖昧なので、最低でも月に一度は見直し、随時、更新をしていくようにしましょう。

こういった仕組みをつくることができれば、他社には見えない「勝ち続ける仕組み」に変わっていくと思います。

ストーリーとしての競争戦略に書かれていた「裏千家の組織力(OC)」を作り上げることができるでしょう。具体的には、トヨタの「カンバン方式」みたいな強力な武器ができるかもしれません。

マニュアルは無機質な、かたい印象がありますが、作り方や使い方で無機質ではなくなっていくのです。これだけ苦労してマニュアルを作っていけば、マニュアルに「血が通う」のです。それが「自社の組織力(OC)」を作り上げて、会社としての強みを生み出していきます。これが「遠い道にこそ真理がある」ということです。

ーマニュアルを作るための3つのポイント

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①ボトムアップで作る

マニュアルはそもそも、トップダウンではなくボトムアップで作るものです。
おそらく多くの人は勘違いをしていて、トップダウンで作ってマニュアルを使わせるイメージを持っているのではないでしょうか。

そうではなく、現場の知恵を救い上げる仕組みを整えるのが大事なのです。そもそも使う人が作らないと納得したマニュアルにはならないです。そのために、全ての社員が参加できる道筋をつくるのです。

心底納得した仕組みをつくつことによって、当事者意識が芽生え、社員全員がマニュアルを実行をするようになり、そして社員の意識から変わっていきます。


②マニュアルに反映させるべきは「顧客視点」と「改善提案」

マニュアルには、

「顧客視点(お客様からのリクエストやクレーム)」
「改善提案(スタッフが気がついた改善のための要望)」

を反映させていきましょう。

マニュアルに反映させる時に意識するのは、

問題を特定し、内部要因を徹底的に探す

ということです。そして、それを新たな仕組みに置き換えていきましょう。

まず「顧客視点」に関してですが、ここではお客様の声を全て聞くのではなく、コンセプトに合致しているかの判断を行った上で、仕組みに取り入れていくのがポイントです。

「改善提案」に関しては、社員からの意見や提案によって一つ一つの業務に改善が重ねられ、仕事の方法が合理的になっていくので、意見や提案を「見える化」することが大事です。意見や提案が反映されたのか、などを見える化しておくことで、社員にとってもモチベーションになるのです。

社員が普段から何を意識するべきなのか、についてもポイントがあります。

・普段から自分の業務に質問をすること
・他社の知恵を学ぶこと

普段から、一つ一つの作業に対して「本当にその業務は必要なのか?」「足りない業務はないか?」という質問をして見直す習慣をつけるといいです。

また、他社の知恵を学ぶことは自社を改革する際の大事な方法です。そのため、リーダーあはチームのメンバーが異文化に触れられる環境を積極的に作り上げるのも責務であるとありました。


③マニュアルの記述ポイント:具体的な記述

仕事の標準化のためには解釈の違いが生まれないように、具体的な記述をしましょう。
見る人によって異なる解釈ができてしまうと、マニュアルを作った意味がありません。

具体的な記述というのは、

「何、なぜ、いつ、誰が」をまとめる

ということです。

これによって、その仕事に意味を見出すことができます。これだけでも無機質であったマニュアルに潤いを与えることができます。
特に単純作業にも意味を見出してマニュアルに記述するようにしましょう。

■最後に

マニュアルは作り方・使い方次第で効果が大きく変わっていくということがよく伝わってきました。

特に、作ったところがゴールと勘違いしてしまうというのは、よくありがちな話で、作ったところから改善がないために無機質でかたい印象を持ってしまっていたのだと思いました。

私自身、自分のタスク管理として、「GTD(Great Things Done)」を用いているのですが、本質的には無印の仕組みも同じであるなと思いました。タスク管理自体も、「更新しない」「レビューしない」「ためるだけためてしまう」など様々な問題があって、そのうちタスク管理をしなくなってしまうという問題があるます。GTDではそれをシステム化して、常に最高の仕組みとして維持していきます。無印良品の仕組み(マニュアル)も同じで常に最高の仕組みとして、維持していくことが大事であるという点で同じですね。

これから社会人になって、仕事をしていく中で仕組みやマニュアルが必要になる場面が出てくると思いますので、これを生かして「血の通った」マニュアルを作っていけたらと思います。




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