ものの見方が変わるきっかけをくれる「具体と抽象」
具体と抽象という概念は、日頃使っていますよね。あなたはどうですか?
例えば、人に何か説明する時は具体的な話をします。もし、それで理解できなければ、相手がわかるように例え話を使ったり、より具体的な話をしたりします。
こういったように、日頃からあまり意識せずに具体と抽象を使い分けています。
この本では、今まで無意識的に行っていた思考を言語化し、さらにステップアップしていくための考え方を教えてくれます。
私がこの本を読んで学んだ3つのことについて説明していきますね。
■3つの学び
ー「具体と抽象」自体が「相対的な関係性」を表す概念
私は、抽象と具体にレベルがあることを普段無意識でした。
確かに、
基準をどこに置くかで、抽象と具体が決まる
というのは納得です。
例えば、「手段」と「目的」も、それ自体が相対的な言葉なのです。
自分は手段だと思うことも、ある人から見てみれば、それが目的にもなるのです。
「よく手段と目的を履き違えるな」みたいな話を聞きますが、「もう少し抽象的に考えよう」ということとほとんど同義なんですね。
抽象度のレベルが異なっていると、議論が噛み合いません。なので、手段を目的だと思っている人にとっては、「よく手段と目的を履き違えるな」という言葉は意味がわからないこともあるのです。これは、抽象度が異なるのが原因であると気がつき、そこに言及すると相手も理解できるようになるのだと思います。
反対のこと言っている人の話を聞いたら、まずは抽象度を比較してみて見ると、それぞれの言っている内容に矛盾がないことに気がつくかもしれません。
ー「抽象と具体」の往復の重要性
私たちには、様々な場面で「抽象と具体」を往復して考えることが求められます。
例えば、数値目標というものは、必ず「目的や動機」などの抽象度の高い背景情報がセットになっています。その目的や動機を理解することで、その目標に対してやる気が起きてくることがあると思います。よく背景情報がセットにない目標もあります。その時は、自分で「目的や動機」を持つといいですね。
自分に課す目標でも、抽象と具体の往復が重要になります。抽象度が高い目標ほど志が高い目標に見えてきますが、実行可能性が低くなります。抽象度の高い目標を掲げるだけではなく、一貫性のある具体的な目標を設定することで、実行可能性を高くすることができます。
また、自分の「哲学」を持っておくといいとのことです。
抽象的な哲学を持っておくことで、無駄がなくなります。例えば、個別に見えることも、哲学に合致するかという観点で判断することができるようになり、効率的になります。
「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」
・不確実性が高く、ルールが後追いになっている社会では、リーダーの美意識による判断が重要になる
ということも述べられており、自分の「哲学」「美意識」を持って行動する重要性が高まっています。そのために、抽象と具体を往復して、自分の「哲学」「美意識」を確立していくことが大事ですね。
また最後に、人は個人レベルでは感情で動くということがあります。感情で動かすには、ある程度具体性がないといけません。抽象的すぎては、自分ごとに捉えることが難しいからです。
以上のように、様々な場面で「抽象と具体」の往復というものが重要になります。
ー「抽象度」という観点で観察すること
日頃から何を意識すべきか、ということですが、それは以下の通りです。
①「抽象度」という観点で物事を観察する
②「抽象度」の高い共通点を探す
<①「抽象度」という観点で物事を観察する>
抽象度がかみわないと様々な問題を引き起こしてしまいます。そのためには、議論における抽象度の違いや、目標における抽象度の違いなどを日頃から理解しようとする気持ちを持っておくことが大事です。
<②「抽象度」の高い共通点を探す>
抽象度の高いことのメリットは、
「一を聞いて十を知る」
ことができることだと思います。
そのためには、日頃から抽象度の高い共通点を探す必要があります。
というのも、高い抽象レベルの視点を持っている人ほど、一見異なる事象が同じにみえ、抽象度が低い視点の人ほど全てが違って見えるため、日頃から鍛えて抽象度の高い視点を身につけないといけません。
「一を聞いて十を知る」方法として、アナロジー思考というものがあります。これは
「遠くからアイデアを借りてくる」
ための手法で、抽象レベルのマネです。これができるようになれば、一つに事象を様々な場所で活かすことができるようになります。
また、他人に失敗や成功を見るときに、本質的に何に起因しているのかを考え、抽象度をあげた特性を探し当てることが、非常に重要です。これによって、他人の経験から自分でも成功体験や失敗体験を積むことができ、経験値が上がっていきます。
よってこれからは、
①「抽象度」という観点で物事を観察する
②「抽象度」の高い共通点を探す
ということを意識していきたいと思います。
■最後に
具体と抽象という考え方は、(ある程度は、物事をまとめるときに抽象的にしたり、人に説明するときには具体性を高めたりしていましたが、)普段そこまで意識せずに使ってしまっていました。
これを機に、「抽象度」という観点で物事を見る癖を付けていきたいと思います。
もし意見やコメントがありましたら、気軽にコメントしていただけると嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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