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アガサ・クリスティー関連図書2

ミステリ・ハンドブック アガサ・クリスティー

エルキュール・ポアロやミス・マープルら名探偵の紹介、全長編レビューをはじめとして、語録集やミステリ・マップ、映画から料理までを盛りだくさんにつめこんだ「ミステリの女王」のすべて!!
執筆陣もE・D・ホックやジュリアン・シモンズなどそうそうたる顔ぶれ!


アガサ・クリスティーの再読を始めた頃、クリスティーのことがもっと知りたくなって、いろんな関連本を収集しました。
クリスティーの小説はハヤカワ・ミステリ文庫でほぼ揃えてありますが、関連本はほぼメルカリです。メルカリがある時代で良かった!
新しい本(私が読んだことのない)を見つけたらうずうずして、どんな内容なのかを調べ、面白そうだったら購入画面へ…。自伝も旅行記も、とても良いタイミングで見つけることができ、読書好きの皆さんは保管状態も良く、中古でも満足できる本が手に入ります。

先日も、クリスティーのロマンスシリーズの訳者である中村妙子さんが書いた「アガサ・クリスティーの真実」を購入しました。
こんなに読んでもまだ未読の関連本があるなんて、マニアにはたまりませんよ~!

話は逸れましたが、今日の紹介する「ミステリ・ハンドブック」は1999年に、日本語訳されたものが原書房から出版されました。

本書はいわば、古今でもっとも偉大なストーリーテラーのひとり、アガサ・クリスティーが創り出した数々の作品に対する賞賛を目的としている。

本文より

とあるとおり、どの作品の解説にも肯定的な感想が書かれている。

世界中の熱心な読者が、凶悪な事件をもっとも優雅な形で描く、そのプロットの展開に時間のたつのも忘れるほど夢中になった。クリスティーがくれたこれらの贈り物には、暴力的な描写は最小限しか登場せず、その後には、冒険やかけ値なしの謎、まやかしの手がかり…そしてお楽しみが待ち受けていた。


現代小説を読んでいると、時々読むのが辛く飛ばしてしまいそうになる描写もあります。ミステリじゃなくても、例えば子供に対するいじめや虐待する話は、「人間が人間に向ける悪意」の醜さに、続けて読むともういっぱいいっぱいになる。
クリスティーが書く「殺人」事件によってそのような気持ちになることはほとんどなく、ただ純粋に謎解きや犯人は誰?ということを楽しめるのです。

本書は、「作品のあらすじ紹介」と「読み物」の2本立てになっています。
そのあらすじというのが、結構な読み応えのあるもので、私は1冊読み終えた後にその作品のページを読み、ブログに感想を書く時にの参考にしました。

とても的確で詳しいあらすじでありながら、なおかつネタバレはない。
まさに決定版です!


1999年3月 初版本
原書房

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