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【エッセイ】義母の幻視

6月に義父が入院し、義母の一人暮らしが2週間ほど経った頃から、夜中に電話が来て「どうして何も言わないで帰ったの?」などと言うようになった。そもそも行ってないんですが…。夜中の電話の後は寝られなかった。
義父が家にいないから不安になったのかねぇ…と話していると、そのうちに親戚のあちこちにも電話を掛けるようになり、不穏。

7月の中旬になり、再び夜中の電話で「目が覚めたら誰もいなくて探した」と言い、その時は私が電話に出たのだが「そっちへ行ってませんよ」って言っても、逆に「挨拶もなく帰るなんて人としてどうなの?」と怒られた。
心配をした夫がその日から5泊6日で実家へ行き様子をみる。最初は話も通じず、夫がつい強い口調で言うと、しまいには「もう帰っていい」と言われたらしい。

その後も日常の生活はできていても、時々変なことを言うようのが続くようになった。
・家にたくさんの人が来ていて泊まっていった。
・道路を挟んだ向かいの家の前に停まっている車の中に義父を見て「お父さん」と声を掛けて手を振る。(車の中には誰もいない)
・お父さん、病院に愛人がいるから帰ってこないんだ。(90歳ですが!)
・お父さんが毎日家に帰って来て、昨日は知らないうちに帰った…(ずっと入院中) 等々。

隣町に義母の弟がいるので、そこの家族も心配をして時々見に行ってくれるようになり、義母は「最近よくくるんだよね~」と、少し迷惑気味に言うこともある。

夫が帰省している間に、認知症の検査のため隣町の病院へ行って診察を受けたらMRI検査では脳の萎縮はみられず、認知症との診断はなくグレーゾーンとのこと。グレーゾーンとは?よくわからないが、検査と診察は1日のみで、通院もなし。

義父が退院したら妄想もおさまるかと思ったが、今度はげっそり痩せて帰って来た父を自分のおじいちゃんとか義父のいとこなどと言うようになった。話を聞いて、否定したりすると違ったことを言い出したりするので、聞く方もわけがわからなくなる。

隣町の叔父やいとこ達も心配してくれて、いとこが調べたところ、幻視が症状としてみられる「レビー小体型認知症」ではないかと教えてくれた。
もっとしっかり検査を受けるには、遠くの街までいかなくてはいけないらしく、それも1回で済まないだろうから、遠方の夫がつきそうのはなかなか難しい。


その間義父母の介護申請も行い、1ヶ月後に来た結果は2人とも「要支援1」となった。地域包括支援センターの担当者の窓口に夫がなっている。

5月のGWに帰省した時にはいつもと変わらない様子だったが、義父の入院をきっかけに急変してしまった義母。
先日2人で帰省をし、夫の兄にも来てもらいこれからのことも少し話したが、兄と母は口喧嘩のようになり同じことを堂々巡りに話して、聞いていてぐったりした。
ようやく話を夫がまとめ、母にも「これからもおかしなことを言うのが続くようなら、また病院で検査受けてもらうからな!」となった。
この帰省の期間でも、義母の幻視による虚言を聞かされ、朝6時に起こされて義父とそっくりないとこがいるから朝ごはんを食べさせなくてはいけない(もちろんそれは痩せこけた義父)とか、外に人が大勢いるとか、義父の愛人の話とかいろいろ…。本人は真顔でまじめに言う。
「レビー小体型認知症」だとすると、幻覚に対して否定してはいけない…と書いてあったので、私は「そうなの」と言うだけに留めていたが、兄は「何馬鹿なこと言って」と怒っていた。

今までは割と温厚で年に3回は実家に帰省する夫だが、義母の幻覚による虚言に振り回されてうるうちに、義母に対してどんどん怒りっぽくなり、義母は叔父に「怒らないように言ってちょうだい」とお願いしたらしい。

義父母の様子も気になるが、引っ越しの準備もしなければならない。
私は、9月中旬まで仕事の引継ぎがあり、その引き継ぎも新しい人にきちんと伝えられるかという重圧に苦しんで、仕事の夢を見る💦

まぁ、なるようになるさとは思っています🍃

では、また😊



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