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FIRE後の大きな負担 社会保険料の節約

FIRE後の社会保険料

FIREをすると、会社員時代にもらっていた給与が無くなるので、それまで天引きされていた税金(所得税・住民税)や社会保険料(健康保険・年金保険)を、自分で納めなければならなくなります。
毎月の給与から天引きされていたときは、それほど気にかけていなかったものですが、いざ自分で支払うようになると、1年分の納付額が提示されることもあり、金額の大きさに驚きます。

とはいえ、税金も社会保険料も滞納するわけにはいかないものなので、出来るだけ安くなるように工夫することが重要です。
私の体験を踏まえて、FIRE後に重くのしかかる、社会保険(健康保険・国民年金)の支出について書いてみようと思います。


FIRE後の健康保険の負担

健康保険料は退職前の収入によって納付額が決まり、また会社の補助(通常は保険料の半額)が無くなるため、退職直後は負担が倍くらいに増えるイメージです。

サラリーマンの場合、FIRE後は国民健康保険に切り替えるか、会社で加入していた健保を任意継続するか選択する必要があります。
両者は保険料が異なり、また、健保独自に実施している人間ドック補助などのサービス面でも変わってくるため、良く調べて検討する必要があります。

私の場合、国保と会社の健保の間で、保険料に大きな違いはありませんでしたが、会社の健保の方が人間ドックや健診費用の補助などサービス面が充実していたので、会社の健保を任意継続することにしました。
ちなみに、会社の健保を任意継続出来る期間は最長2年間で、その間の保険料は変わりません。

一方、国保の保険料は、「前年の所得」によって保険料が変わってきます。
通常、FIRE後は所得が低くなることが多いため、退職した翌年および翌々年は国保の方が保険料が安くなる可能性が高いです。

そのため、FIREの翌年以降は、確定申告で前年の所得が確定した段階で(毎年2~3月)、市町村の国保の窓口やホームページなどで保険料を試算し、じっくりと比較して検討するのが良いでしょう。

私は、6月に退職したのと、退職年に株などの売却益があったせいで、所得が高くなってしまったため、退職年と退職の翌年は、会社の健保を任意継続しました。
その次の年は、所得が大幅に減る見込みのため、国保に切り替える予定です。

健康保険料の節約

また、保険料の納付方法については、毎月納付するよりも、半年もしくは1年分まとめて支払う方が、割引を受けられるので、一括納付がお得になります。
どれくらい安くなるかは、それぞれの健保によって若干異なると思いますが「複利現価法による年4%」が基準となっているそうです。

FIREされる方は、投資で運用しているお金があると思います。
健康保険料は最長12か月分まとめて前納することが出来るため、前納することによって、4%の金利で運用しているのと同じだけの割引が受けられる計算になります。
4%以上の金利で運用する自信があるのなら別ですが、保険料は嫌でも納めなければならないものなので、私は一括納付による割引のメリットを選びました。

FIRE後の年金の負担

FIRE後は、バリスタFIREなど引き続き雇用される場合を除き、国民年金に加入することになると思います。
国民年金は強制加入のため、定額を納めなければならないですが、こちらも健康保険と同様、まとめて前納することにより割引となります。

前納する期間は、6か月分、1年分、2年分から選択することが出来、現金で納付するか、クレジットカードで納付するかによって割引額が違いますが、2年分を現金で納付した場合16,590円、1年分を現金で納付した場合4,270円割引となります。
(金額は令和6年度、毎月納付と比較した場合の場合)
こちらも、手元にある資金との兼ね合いで、最適なものを選択するのが良いでしょう。

クレジットカードで納付する場合は、現金で納付するよりも割引率は低くなる一方、カード会社によってポイントが貯まります。
ただし、カード会社によっては、年金の納付でポイントが付かないところもあるため、事前によく調べておくことをおすすめします。

ちなみに私は、一番割引額が大きい2年前納を選択し、現金納付(銀行引き落とし)にしました。
この場合、約4%の割引を受けられます。
ただし、2年に一度約40万円の請求が来るので、口座残高不足にならないように気をつける必要があります。

社会保険料控除のお得な利用

社会保険料(国民年金・健康保険)は、所得税や住民税の計算上、「社会保険料控除」の対象となります。

これは、税金を計算する際に収入から差し引かれるものなので、出来るだけ控除額を多くする方が、所得税・住民税を安くすることが出来ます。
特に、FIREの翌年は税金の負担感が大きいため、社会保険料を一括納付して控除額を大きくした方が、税負担を軽く出来るというメリットがあります。

社会保険事務所で聞いてみたところ、2年分前納した場合は、納付した年の所得から2年分全額控除できるということでした。
つまり、翌年度分の保険料を先払いすると、当年の所得から控除出来るため、納付した当年の税負担を軽くすることが出来ます。

逆に、2年前納した場合、納付した翌年は社会保険料控除が無くなるため、税負担は重くなります。
しかし、一般的にはFIRE直後よりも翌年や翌々年の方が収入が減ります。
所得税の税率は累進課税のため、収入が多いFIRE直後に大目に社会保険料控除を適用した方が、2年分をトータルすると節税になるケースが多いと思います。

FIRE後の所得がどのように推移し、どれだけの額を確定申告するかはケースバイケースなので、一概に前納することが節税する上でメリットばかりとは言えません。
色々と調べて自身にとって最適のタイミングで納付方法を選択し、節税につなげましょう。

FIRE後に重くのしかかる税金については、この他にも色々と細かいことがあるため、次回はFIRE後の税金について書いていこうと思います。

アジサイ。花言葉は「無常」

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