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舞台「海をゆく者」の感想。舞台に立つ5人の俳優を観て感じたこと。

2024年1月21日、キャナルシティ劇場(福岡市)に「海をゆく者」という舞台を観に行った。

前情報はほぼなし。アイルランドの劇作家の代表作であり、舞台はアイルランドだということを公式情報で見たくらい。

なぜこの舞台を観に行こうと思ったかというと、やはり出演者に惹かれたのだと思う。

テレビや映画(特に私は三谷幸喜作品が好きなので「浅野和之さん」にはとてもテンションがあがる)で活躍している俳優さんたち。錚々たる面々の5人舞台。

行く理由は何でもいいと思う。舞台を観に行くことが大事だと最近気づいた。

舞台が始まると、最初に驚いたのがその元気の良さ。「元気の良さ」と書くと、少し語弊があるかもしれないが、舞台から「生き生きとした」エネルギーの様なものが伝わってくる。

一番衝撃を受けたのは「小日向文世さん」の醸し出す空気感。舞台が始まり数十分後に登場するのだが、喋りだした瞬間に一気に空気が変わったのがわかった。

声が特別大きい訳でも、特別な台詞を言っているわけでもない。ただただ普通の台詞を言っているだけなのに、小日向さんの話している姿から目が離せなくなった。元々好きな俳優さんだったが、ますます魅力を感じてしまった。

後で調べたのが、全員が60歳以上で平均年齢が70歳近いということに驚いた。70歳もの年齢になってまで現役で舞台に立ち続ける。それは相当に大変で、相当に楽しいのだろうと感じた。

素人の私でも「舞台というものの大変さ」はなんとなく想像つく(実際はその何倍も大変なんだろうけど)。まず3時間ほどもある舞台の台詞を覚ようと思うと考えただけで頭が空っぽになりそうだ。

その苦労が想像できるにも関わらず、舞台上で演じている役者さんたちが妙に楽しそうだとも感じた。本当に楽しいのか、劇中の役のせいでそう見えるのか、見ているこちら側にはわからないが私には楽しそうに見えた。

それを観ながら「劇中の役」にも「演技をしている俳優さん達」にも、私は「憧れ」や「羨ましい」という感情を抱いた。

そして最後に並んで挨拶をする5人がなんと格好いいことか。

70歳近くにもなり、あれほど一生懸命に何かに取り組める自信が私には無い。それがどれだけ素敵なことなのか。「これからも頑張ろう、いや頑張らなくては。」と、舞台に立つ5人の俳優を観て私は思った。

ちなみにアイルランドを舞台にした作品ゆえ、ウイスキーを飲むシーンが最初から最後まで目白押しでウイスキーが飲みたくなってしまったのは内緒である。

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