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台南の成功大学にて中国語を学ぶ。[留学体験記]

成功大学の華語中心で学び始めて三週間が経った。今回は留学体験記を残しておこうと思う。

1.はじめに

申し込んだのは10週間のグループコース。事前にオンラインでクラス分けテストを受け、その結果をもとにグループレッスンのレベルが決まる。ちなみにレベルは現在A班〜H班まであり、さらに授業時間も8:10-10:00、10:10-12:00、13:10-15:00と分かれている。(今学期は人数が多いらしく、B1〜B6班という感じで1クラス8~10人程度に分けられている。)

最初の一週間は、グループクラスのレベル変更の口試を受けれたり、選択科目を自由に聴講できたりする。

2.グループ授業について

1日に2時間あるグループレッスンでは、担任の先生が1~2人いて教科書の単元に沿って生詞(単語)や語法(文法)について講義してくれる。といっても教科書を見るのは練習問題を解く時くらいで、基本的に先生が用意したパワポを見ながらの授業となる。教科書の例文だけではなく、実際の生活での使い方を知れるのが嬉しいポイント。

中国語のみでの授業だが、みんなが知っている単語を使ってうまく説明してくれるので初心者でも不思議と理解できる。

中国語のみで授業
カリキュラムが細かく定められている
講義資料や説明が丁寧でレベルが高い
・自身の考えをまとめて話す機会が多い

3.選択授業について

グループレッスンが2時間×5日=週10時間。加えて週5時間以上の選択科目を受ける必要があり、1科目あたり2時間なので3個以上履修することとなる。

選択授業の中に必修科目の「語法」「發音/正音」があり、加えてあと一つ「會話(会話)」「生活詞(日常的に使う単語)」「TOCFL」から選ぶ。ちなみに上級になると「新聞閲讀(ニュース読解)「華語導覽解說(ツアー解説)など選べる科目の幅も多くなる。またレベル関係なく履修できる文化科目として「書法」「國畫(水墨画)がある。

選択科目ではそれぞれ担当の先生が異なるので、最初の一週間のうちにいろんな授業を聴講し、自分に合う先生の授業を選択するのが良い。

自分は必修の「語法」「發音」に加えて、「會話」「書法」を履修しており、それぞれ週に1回2時間の授業なので、トータルの授業時間は週18時間になる。選択科目があることで、他のクラス・レベルの友達ができて本当に楽しい。

書法課で仲良くなった韓国とインドネシアの友達と授業終わりにご飯を食べにいくのが毎週月曜の楽しみになっているし、發音クラスで一緒のタイとアメリカの友達と午後の授業が始まるまでにご飯に行くのは毎週水曜の楽しみになっている。(学校のすぐそばが育樂街というグルメ街なのでお昼はみんなそこに繰り出す)

成功大学に来て強く感じるのは、「空きコマがある重要性」

前回通った大学は3時間のグループレッスンのみだったので、授業が終われば解散、もしくは仲良い友達とご飯、という感じだった。

空きコマがあるからこそ、同じ科目を履修している友達とご飯に行ったり、クラスメートと宿題やプレゼン準備をしたり。コンピューター室(=自習室)には基本みんな集まっているので、隣の席の人と友達になる、なんてことも多い。そんなこんなで基本的に学校で過ごす時間が長く、8時に登校して18時頃まで滞在する日も多い。もちろん選択科目がなく10時に授業が終わる曜日もあるので、午後から遊びに出かけたりもする。

4.宿題について

グループレッスンの宿題は毎日出され、曜日によって種類が異なる。ちなみにmoodleという学生がログインできるサイトがあり、履修科目や成績、メッセージが確認できるようになっている。また、プラットフォーム上には音声ファイルがアップロードされていたり、宿題をデータで提出したりできる。

現在履修しているクラスの宿題は以下の4種類。

「生詞功課」:大学が独自に作っている冊子。プラットフォーム上の音声ファイル(毎回違う先生の音声)を聞いて単語の声調を記入したり、聞き取ったフレーズを書き写し、文章問題を解く。
「聽力功課」:プラットフォーム上にある音声(質問10問)を聞き、質問に対する自分の考えをWordで記入して提出する。
「作業本」:教科書付属のワークブック。単元の総復習的な意味で週末に取り組む。リスニング、単語/文章読解、記述式など。
「報告」:題材に沿ってパワポで資料を作り、原稿を暗記してプレゼンする。一人で数分間発表したり、二人一組で対話を考えたりする。

驚いたのが課題の多様さ。予習となるための「生詞功課」では問題を解くために強制的に何度も音声ファイルを聴くことになり耳が鍛えられるし、「聽力功課」では質問を耳で聞いたのちに自分の考えをまとめ、タイピングする必要があり、「作業本」は語法を復習しながら徹底的に文字を書く力を養える。「報告」では話す力、他の発表を聞いて質問する力を鍛えてくれる。

しかも先生が全て添削してくれ、細かいフィードバックがある。Wordで提出したものは添削後、オンライン上で返却してくれる。

選択科目にもそれぞれ宿題が課される。
「會話」ではクラスメートとペアになり話題に沿った会話を考え、録音し、録音ファイルをプラットフォーム上に提出する。その後、発音・生詞・語法・内容などが点数化され、先生から総評が送られてくる。

「發音」では、授業で提示された文章を、オフィスアワー中の先生に聞いて発音をチェックしてもらい、プリントにサインをしてもらうといった宿題。

オフィスアワーというのは自習室に先生が一人滞在している時間のことで、誰でも自由に質問することができる。時間帯によって担当の先生が変わるので、顔見知りの先生に質問するのもよし、知らない先生に発音チェックをしてもらうのもよし、といった感じ。

5.フォローアップの手厚さ

辦公室(事務室)の仕事量の凄さ、成功大学華語中心の学生に対するサポート力は凄まじい。
・ビザの更新や奨学金の案内が手厚い
・Xp検査を成功医大病院で受けれる(260NTD)
・履修登録の変更も柔軟に対応してくれる
・半日旅遊、一日旅遊といった遠足がある
・ハラスメント対策や緊急事態の連絡先の共有
・プリンターが1枚1元で使える
・入学前に新入生オリエンテーションがある
・学生寮の案内をしてくれる
・無料で中古チャリを貸りれる大学事務所の紹介
・教科書を買える売店/オンラインショップの紹介

度肝を抜かれたのが、先生も辦公室のスタッフもみんな学生の名前を覚えていること。今学期のグループは27クラスあり、200人以上の生徒がいるのに、辦公室に入るとすぐに「お、(名前)、何か困ったことあった?」てな感じで対応してくれる。先生も初日の授業ですでに全員の名前を覚えてきていて驚愕した。

安平への遠足、新しい友達ができて楽しい
無料で3ヶ月貸してくれたチャリ

6.教科書について

使用している教科書は當代中文課程。元々は分厚い教科書だったのだが、今は1-1、1-2、1-3というふうに細分化されていて、短期留学の人でも安く教科書を買えるようになっている。

また電子書籍を購入してiPad片手に授業を受ける学生も少なくない。

7.学校の寮について

学校の入学申請が完了すると学校が凱旋している宿舎の案内が送られてくる。多くの学生の第一候補となる凱旋国際学苑は抽選制だが、同じ時期にきた人たちはみんな入居できている印象。一人部屋でシャワー・トイレ・冷蔵庫・勉強机・椅子・冷房・扇風機・マットレス付き、家賃5500元(電水費は別)とそこそこ安く、設備に関しても特に不満はない。(強いて言えば1回30元の洗濯機が少し汚い。)

華語中心の学生がたくさん住んでいるため、エレベーターやロビーで出くわすことも多く、「もうご飯食べた?まだなら一緒に行こう」ってなるのも良い。こういうのが学生っぽくて楽しかったりする。

7.まとめ

授業の質が高い
選択科目で様々な先生の授業を受けれる
クラス以外に友達が沢山できる
手厚いフォローアップ制度
課題のバリエーションが豊富
学生たちが自ら学べる環境が整っている

今のところ気に入らない点や不満は全くなく、めちゃくちゃ楽しく勉強させてもらえている。もはや語学センターというより大学生活を送っているような感覚だろうか。

あとは授業の質が良いのでレベルが上がるにつれて学生のスピーキング力が格段にアップしているのがわかる。一つ上級のクラスに潜入した時も、中国語で雑談していたり、文章でペラペラと質問に答えているのが印象的だった。近くに目標となる学生が沢山いるので、勉強するのが改めて楽しいな、と感じれる。

そんなこんなで長くなりましたが、台湾南部で中国語(台湾華語)を学びたい人に全力でおすすめできる大学です。

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